国防の活動において最も肝要なのは冷静な思考である。この隣国間の不毛なあつれきを、ただちに収束させるべきだ。 日韓防衛当局間の摩擦が止まらない。海上自衛隊機へのレーダー照射問題に続き、今度は韓国側が新たな抗議を発表した。海自機が韓国の艦艇に繰り返し威嚇飛行をしたとしている。 日本政府は否定しており、やはり双方の主張は食い違う。 懸念する事案が発生したというのなら、相手に伝え、事実関係を調べるのは当然だ。ところが今の両国当局間では、そのための対話も円滑に進まない。 その憂うべき事態のなかでも今回の韓国側の発表は、明らかに穏当さを欠いている。国防相が記者団の前で、海自機への実力行使までをも示唆したのは極めて不用意な発言である。 これに先立つレーダー問題での協議は平行線をたどった。日本側は批判の応酬を避けるためとして、協議を打ち切った。 後味の悪さは残るものの、今後の関係を考えるとやむを得ない判断