一見すると、新体操とダンスは、共通点が多いように映る。 ところが、本多によると「全く逆なんです」というのだ。 「新体操って、きっちりと決められたことを踊るんです。何をやるにも、ぴしっ、ぴしっと…。ダンスのように、緩く、楽しく踊る。そういうことができなかったんです」 新体操の動きはかかとを上げることで、体を上に引き上げるのだ。だから、常に背筋がピンと伸びている。ところが、ダンスだと「みぞおちを落として、音を取るんです」。重心の取り方ですら、完全に真逆だった。 リズムの取り方も新体操は「ワン、ツー、スリー、フォー」。ところが、ダンスだと「ワン、アンド、ツー、アンド、スリー」…。 その“アンド”の部分。つまり、微妙な間で取るカウントがあるのだという。手足を隅々まできちんと伸ばす新体操、反対にぶらぶらさせるダンス。 「体に染みついていて…。意識では逆と分かっても、体が動かなかったんです」 本多のた