進行はアニメ評論家の藤津亮太が担当。まずは映画祭のジャパニーズ・アニメーション部門でプログラミングアドバイザーを務める藤津より、今回のテーマとして背景美術を選んだ理由が説明された。藤津は「今、さまざまなアニメ作品で美術への挑戦が起きている実感がある」と述べ、なぜそうなったのかという点について自身の見解を示す。2004年にデジタルカメラの一般家庭普及率が50%を超えたこと、2008年に「Adobe Photoshop CS4」が発売されたことなどをトピックとして挙げながら、背景制作のデジタル化や、実際の風景がアニメに取り入れられるようになった流れをたどった。そして2016年に新海誠監督作「君の名は。」がヒットし、美術が作品の顔として機能すると知られたことも要因の1つに挙げ、現在はアニメの背景でできる可能性が広がってきたのではないかと解説した。