日本画家、東山魁夷の作品をもとにした偽物の版画を制作したとして大阪の元画商ら2人が逮捕された事件で、2人が本物とほとんど同じ手法で偽物の制作を繰り返していた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。版画は専門の鑑定機関が存在しないということで、警視庁はこうした現状が悪用されたとみて詳しいいきさつを調べています。 大阪の元画商、加藤雄三容疑者(53)と、奈良県にある版画工房の経営者、北畑雅史容疑者(67)は、おととし1月までの2年間に、いずれも日本画家の東山魁夷の5つの作品をもとにした偽物の版画を無許可で制作したとして著作権法違反の疑いで逮捕され、28日、検察庁に送られました。 警視庁のその後の調べで、2人が本物の版画をパソコンでスキャンした画像をもとに色の成分などを細かく分析し、アルミ製の板に転写する方法で偽物の制作を繰り返していた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。