植田益朗:まずはアニメーターの人材不足、スキル不足の問題があります。製作委員会方式が取られるようになってから、一社が大きなリスクを抱えるということがなくなったためアニメが作りやすくなり、放送する本数が劇的に増えました。その結果、当然ですがアニメの絵を作る原画や動画というアニメーターの仕事が猛烈に増えて回らなくなり、特に動画を海外に発注することが増えたのです。 かつて動画マンの仕事(※原画と原画の間に中割りを描き、動きを滑らかにしていく作業)はアニメーターの基礎訓練の場になっていたこともあったのですが、そこがすっぽりとなくなってしまったため、アニメーターとしての知識もスキルも足りていない新人が増えてしまいました。しかし目の前には大量の仕事があるため、とにかく手を動かさねばならず、結果、自分のスキルが今どうなのか、正しいことをやっているのかどうかさえわからない人材が大量に生まれることになりまし