PA05と注文してカルボナーラが出てくることが、貧しく恐ろしいという話を聞いて思い出したことが有る。 俺はあのオヤジのやってるA定食が好きだった。 その定食屋は、日替わり定食が、A定食、B定食、C定食と呼ばれていた。 ランチタイムのA定食は、いつも唐揚げ定食だった。B定食やC定食はその時々で違った。 確か、C定食だけ100円か200円高くて、刺し身だの天ぷらだのはC定食だったはずだ。 自分はA定食が好きで通っていた。唐揚げとポテトサラダとご飯と味噌汁と胡麻団子。 だから、自分の青春は、A定食とともにあった。 A定食と聞いて思い出すのは、四季折々暑すぎたり寒すぎたり砂っぽかったり土砂降りだったり、そんな毎日の昼飯時だ。 治安は今よりも悪く、街並みもきれいとは言いがたかったが、やはり記憶の中の思い出は輝いている。 だからたぶん、あの定食屋が小綺麗な店に変わって、唐揚げ定食と、ハンバーグ定食と、