北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん(失踪当時23歳)の両親(神戸市長田区)が、ジャーナリストの田原総一朗氏(76)によるテレビ番組の発言を巡って慰謝料を求めた訴訟で、発言の根拠とされる取材テープの提出を命じた神戸地裁決定を不服とした田原氏の即時抗告について、大阪高裁は「取材源の秘密は保護に値する」として20日付で、同地裁決定を取り消し、提出する必要はないと判断した。 田原氏は2009年4月のテレビ番組で、拉致被害者の有本さんについて「外務省も生きていないことはわかっている」などと発言。有本さんの両親は同年7月、慰謝料1000万円を求めて同地裁に提訴した。同氏側は、外務省幹部のインタビューを根拠に挙げ、取材テープの一部を文書化して証拠提出。両親側はテープの提出を申し立て、神戸地裁が10年10月に認めたため、田原氏側が即時抗告した。 同地裁は決定で〈1〉民事訴訟法では訴訟で引用した文書の提出