世界で最も有名なセルビア人スポーツ選手といえば、男子テニスのノバク・ジョコビッチだろう。だが、同選手が拠点としているのは小さなモナコ公国だ。実際、プロテニス協会(ATP)ランキング上位10人のうち5人がモナコを主たる居住地としている。その理由は明らかだ。 フランス南岸コートダジュールに位置する面積約2平方キロの極小国家であるモナコは、年間300日以上の晴天に恵まれ、欧州各国の首都から飛行機で簡単に行き来でき、有名なムラトグルー・テニスアカデミーをはじめとする優れた練習施設にも車で1時間以内の距離にある。 一流のスポーツ選手や超富裕層にとっては別の利点もある。モナコはタックスヘイブン(租税回避地)であり、個人所得税や資本利得税、投資税がかからない。これは、過去1年間の収入が3840万ドル(約57億円)と推定され、フォーブスの「世界で最も稼ぐテニス選手ランキング」で1位に君臨するジョコビッチの