「当大使館は長年、続けてきた日本のプレスの記事の英訳を米政府外部へ提供することを打ち切ります」 こんなメール文が日本の米国大使館ジム・ズムワルト公使の名前でつい最近、流された。在日米大使館が毎日、日本の新聞や雑誌の主要記事を英訳し、米側の関係者に提供してきたことは広く知られている。本来は米国政府の対日関係当局者たち用の重要な資料とされてきた。 だが翻訳の質も速度もなかなかだったから、米政府以外でも需要は大きかった。日本語をよく読めない日本研究者やジャーナリストにも重宝がられてきた。大使館の発信リストには米政府以外の人たちも多数、名を連ねることとなった。 しかしズムワルト公使の発表は「私どもはそもそも日本側メディアから記事の翻訳や配布の許可を得ておらず、知的財産権侵害ともなってきましたので、この際、配布は米政府内部に限定することにしました」と明言していた。ジョン・ルース現駐日大使が知的所有権