米資産運用会社インベスコグループで投資業務を手がけ、企業再生の手腕で知られるウィルバー・ロス氏は18日、都内で講演し、「米国の中小銀行は100の単位で破綻(はたん)する。リーマン・ブラザーズ破綻による損失も広がる」と語り、米国の金融危機が一段と深刻化する懸念を指摘した。 ロス氏は「金融全体が破綻する危険性はもうない」とする一方で、リーマン破綻とAIG救済について、「(米政府は)すべての金融機関を救済できないというメッセージを発信した」として、淘汰が進むとの見方を示した。さらに、「商業銀行と投資銀行の統合の動きが加速する」として、大型の金融再編が相次ぐとの見方も示した。 ロス氏は米国で「再生王」と呼ばれており、日本でも平成11年に破綻した第二地銀の幸福銀行を買収し再生した実績がある。