「神宿る島」と称される沖ノ島 写真を見る 田心姫神(たごりひめのかみ)を祭る沖津宮。巨岩の下に潜り込むように建てられている 写真を見る 許可を得て沖ノ島に上陸するときは、海で身を清めなければならない=いずれも2015年11月、福岡県宗像市 写真を見る 世界文化遺産登録が勧告された福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」は、厳格な上陸制限により、古代の祭祀(さいし)の遺産や信仰を守り継いできた。世界遺産候補として知名度が高くなるにつれ、関係者は沖ノ島への接近や無断上陸の懸念を強めている。「観光地」にできない遺産を保護するために、新たな手だてが必要だ。 「沖ノ島から何キロまで近づいていいか」。世界遺産の国内候補に決まった昨年以降、島を管理する宗像大社(福岡県宗像市)に旅行会社からの問い合わせが増えている。沖ノ島は宗像大社の私有地。交代で駐在する神職以外の上陸は基本的に認めていないため