京都・太秦を拠点に、時代劇の斬(き)られ役を半世紀以上にわたり担い、「5万回斬られた男」の異名を持つ俳優の福本清三(ふくもと・せいぞう)さんが1日、肺がんのため死去した。77歳。兵庫県香美町出身。自宅は京都市。葬儀・告別式は親族らで行った。 中学卒業後、京都市内の米店で半年ほど働いた後、映画黄金時代の1958(昭和33)年末、15歳で東映京都撮影所(京撮)の大部屋俳優になった。雑兵などの役を経て、63年から立ち回りに絡み、市川右太衛門演じる「旗本退屈男」に斬られたのが、初の斬られ役となった。 以降、数々の時代劇スターに斬られ続け、体を大きくのけぞらせる「エビぞり」など独特の倒れ方で、ファンに知られる存在となった。「仁義なき戦い」などのヤクザ映画や刑事ドラマといった京撮で撮られる現代劇にも出演しつつ、殺陣集団「東映剣(つるぎ)会」の会長を務めるなど、チャンバラの伝承に努めた。 2002年には