日本大学アメリカンフットボール部の選手による悪質タックル事案で、警視庁が前監督と元コーチについて「犯罪の嫌疑なし」と判断したことに、ネット上では「ありえない」「そんなばかな」「タックルしたA選手がウソをついたというのか?!」等々、否定的な反応が飛び交っている。 ネット上だけかと思いきや、さにあらず。新聞にもこんなコラムが載った。タイトルは「理不尽な結論」。 どうして、こんな風に「100かゼロか」というシンプル思考に走るのだろう。前監督らの「刑事責任」を問えないからといって、警察が「選手の勝手な暴走」「記者会見での告白はウソ」と認定したわけではない。物事を極端に単純化し過ぎだ。 さらに斎藤氏は、女子体操選手が日本体操協会からパワハラを受けたと訴えた問題等にも触れて、今回の警視庁の判断をこう結論づけている。 「鵜呑み」にする必要はなく、報じられた捜査結果に不審点があれば、それを指摘すればよい。
日大アメフト部のタックル事件は、被害者が警察に被害届を提出する一方、実行犯の部員や前監督、コーチらが相次いで記者会見を行うなど、新たな展開を迎えている。今後の捜査や刑事処分の見込みを示したい。 【傷害罪の成否】 ボクシングのリング上で選手が殴り合いをし、相手を負傷させても、いちいち暴行罪や傷害罪には問われない。 刑法に次のような規定があるからだ。 「正当行為」と呼ばれているもので、「業務」といっても対価を得ているか否かではなく、反復・後続しているか否かがポイントとなるから、プロの選手だけでなく、アマチュアにも適用される。 要するに、ボクシングの試合の中で、かつ、ルールの範囲内で相手を殴る限りは、社会的に見て正当な行為であり、処罰に値するほどの違法性がない、と判断されるわけだ。 それに加え、ボクシングという競技の性質上、お互いに殴り、殴られることをあらかじめ承諾しているともいえ、その意味でも
数万円の賞品で誘いつつも、絶対取れないように設定したクレーンゲーム機を使い、客から料金をだまし取っていたとされるゲームセンター。大阪府警が詐欺容疑で運営会社社長らを逮捕し、全国初の強制捜査に発展した。この機会に、ゲームセンターに対する法規制について触れてみたい。 ゲームセンターは「風俗営業」 年末年始、家族でゲームセンターに行き、アーケードゲームやクレーンゲーム、コインゲーム、対戦型ゲーム、ピンボール、デジタルダーツなどに興じようかと考えている人も多いだろう。 しかし、そうしたゲームセンターが風営法、すなわち「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」で規制されている「風俗営業」の一つだということはご存じだろうか。 もともとは規制の対象外だったが、非行少年のたまり場となっていることが問題視されたほか、ゲーム機賭博事件が次々と検挙され、暴力団関係者の関与も見られたこともあり、1985年
高畑裕太「強姦致傷」事件の真相について書いた月刊『創』11月号の記事は予想通り反響を呼んでいるが、意外だったのは、私の知人のメディア関係者の間でも「こんなこととは知らなかった」という人が結構多いことだ。確かに当初の報道が違っていたことは週刊誌などで断片的に伝えられてはいるのだが、多くの人にとっては最初に新聞・テレビが一斉に報道した内容がいまだに記憶に残っているわけだ。つまり裕太さんが「歯ブラシを持ってきてほしいと女性を呼び出し、部屋に引きずり込み、手足を押さえつけて強姦した」という誤報が、いまだに流通していると言ってよい。 この事件、調べれば調べるほど、そのひどさに深刻な気持ちにならざるをえない。ひどいというのは、現在の事件報道の構造的欠陥が見事なまでに反映されており、しかもそれをどう改めたらよいのかというと、ほとんど絶望的な状況だということだ。そもそもこの事件は、逮捕されたのが人気急上昇
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