国債買い入れの上限の「めど」までも撤廃 去る12月21日(月)に決定した、わが国の2021(令和3)年度一般会計予算政府案の規模は106兆6097億円と、またしても史上最大規模を更新した。 いかにコロナ危機下とはいえ、膨らむ一方の歳出に対して、そのコストは国民のうちの誰がいつどういう税の形で納めて負担するのか、という議論には全く手付かずのままで、歳出の積み増しはすべて国債の増発で賄う格好となっている。にもかかわらず、国内ではおよそ危機感に乏しいのが実態だろう。 すでに財政は“世界最悪”の状態にあるわが国で、それでもなお、こうした政策運営を延々と続けることができているのはなぜか。それはひとえに、黒田総裁率いる日銀がすでに7年以上の長期にわたり、「量的・質的金融緩和」という“事実上の財政ファイナンス”を継続していることによる。 コロナ危機下にあった本年4月に日銀は、従前設けていた「年間80兆円