北海道を襲った地震は食卓にも影を落としている。ジャガイモやニンジン、トマトなど、北海道産が高い全国シェアを占める野菜の出荷や輸送が滞り、一部は値段も上がっている。出荷は徐々に元の状態に戻りつつあるが、復旧には地域差も出ている。 「どうしたらいいのか……」。震源地に近いむかわ町でトマトを栽培する村田伸博さん(33)は、荒れ果てたビニールハウスと畑を前に言葉を失った。数年前に花からトマトに切り替え、いまでは21棟のハウスで年間5トンを収穫。2千万円の売り上げがある。 地震直前の台風でハウスの半数のビニールがはがれていた。補修しようと思っていた矢先、地震でトマトの大半が倒れた。余震の心配から車中泊を重ね、体は疲れ切っているものの、傷がないトマトの収穫に追われる。出荷はできるようになったが、「目の前のトマトを集めるだけで手いっぱい」(村田さん)。破れたハウスの屋根からは雨がしたたり、トマトの病気が