この時期、「野鳥のヒナは拾わないでください」という呼びかけが、ネット上などで多く見られる。なぜ、ヒナを拾ってはいけないのか、専門家に話を聞いた。 地面で鳴いているのはスズメのヒナ。親鳥を探しているようだ。かわいそうだと思っても、ヒナはこのまま。なぜなら近くに親鳥がいるからだ。 ヒナが鳴いているのは、人通りが多い場所の建物の隅だ。親鳥は周囲の様子をうかがっている。くちばしにはエサがある。地面にいるヒナを近くで見守りながら、タイミングを見て、ヒナの元へ向かいエサを与えた。夢中でエサを食べていたヒナだが、親鳥が離れたことに気づくと、また鳴き始めた。今度は、親鳥が建物の陰に隠れるように促す。この場所で子育てが続くのだ。 ヒナが親鳥から巣立つまでは、2週間から3週間だ。この期間に、飛び方やエサの捕り方など、自然界で生きていく全てのことを学ばなくてはならない。 落ちているヒナの多くは、飛ぶ練習中やエサ