日本陸上が誇る種目の1つに、競歩がある。特に男子50kmは近年、結果とともにそれを示してきた。 2015年の世界選手権では谷井孝行が銅メダル。2016年のリオデジャネイロ五輪で荒井広宙が銀メダル。そして2017年の世界選手権でも、小林快が銅メダルを獲得している。メダル獲得者がそれぞれの大会で異なるように、層の厚さも強みである。 4月14日の日本選手権でも、層の厚さは改めて浮き彫りになった。 今年9~10月に行われる世界選手権の代表選考を兼ねた大会だったが、3枠のうちすでに2枠は決定していた。昨年の全日本50km競歩高畠大会で優勝した野田明宏と、アジア大会で金メダルを獲得した勝木隼人である。つまり最後の1枠を、最近の世界大会でメダルを獲ってきた選手たちが争う形だったのだ。 そして優勝を手にしたのは初めて50kmの試合に挑戦した20kmの第一人者、鈴木雄介だった。また50kmに新たな強豪が加わ