中四国地方の児童福祉施設で暮らすケン(20)は1年前、自己破産した。自身の名義でクレジットカードを作り、重ねた借金は150万円を超えていた。きっかけとなったのは、2022年4月に実施された、成人年齢の18歳への引き下げ。当時18歳だったケンは「成人」としてすぐにカードを手に入れると、そこから様子が変わっていった。長年寄り添っている施設関係者はこんな言葉を口にした。「彼はこれから起きることの『先頭集団』を走っています」。各地の施設で今後、入居者の自己破産に立ち会う機会が増えるのは間違いない、とも話した。 10代、20代の若者から全国の消費者生活センターに寄せられる多重債務の相談が増えている。成人年齢の引き下げにより、18歳、19歳は保護者の同意なしに各種の契約が可能となった。知識の不足が原因でトラブルに巻き込まれるケースも目立つ。親元を離れて10代が暮らす福祉施設を訪ねると、家庭環境や発達特