「こんなことが長続きするわけがない」。米金融業界では現在、こうした言葉が再びささやかれている。今回は、業界でも最大級の資金が動いている特別買収目的会社(SPAC)に関してだ。 SPACについて今まで耳にしたことがない人はいないのではないだろうか。実際に利益を出している本物の企業と合併するという1つの目的のために設立された上場企業だ。 今ではありとあらゆる人がSPACに携わっているように見える。スポーツ界ではアレックス・ロドリゲス氏やシャキール・オニール氏、元米下院議長のポール・ライアン氏、ウォール街の投資銀行家マイケル・クライン氏などリストは尽きない。ここ1年3カ月の間にSPAC474社が計1560億ドル(約17兆円)を調達した。