パンチカード時代の負の遺産として数値計算系を中心に今も生き続けている言語Fortran。本稿では仮に数値計算用途であってもFortranを使うべきでない理由を説明することで、悪しき文化の終幕を促進したいと思います。 因みに筆者は量子系を中心にした数値計算を生業としています。C++、Pythonがメインですが数値計算ライブラリの拡張などの用途でFortran77も90も触ったことがありますし、Fortran製のライブラリは頻繁に利用しています。 あくまで筆者の経験に基づいたものでありFortranを使っている技術者からすれば反論もあるものとおもいます。 【1.教材として不適切である】 Fortranの長所として計算向けに設計されているため、行列や複素数の計算が簡単であるという点がよく挙げられます。確かに、Fortranの計算はC++などに比べ直感的で簡単です。しかし、高度なプロダクトを開発す