パラダイス文書が世界で報じられた2017年11月6日。米アップルは「納税に関する事実」という声明を出した。 「世界最大の納税者として、すべての国々で完全な納税義務を果たしている」 パラダイス文書は、iPhoneで知られるアップルが表向きの主張とは異なり、税負担を軽くできるタックスヘイブン(租税回避地)を探し求めていた疑いを明らかにした。大企業の本音と建前が見え隠れする。 アップルが潔白を主張するのは初めてではない。 13年5月、米上院公聴会。「どの会社も、タックスヘイブンに利益を移してはならない」。議員からの非難を、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、苦い表情で聞いていた。 アイルランドの子会社に利益…