日本企業の収益力の低さが問題となっている。採算が悪化し先行きが見通せない事業を手放せないからだ。まだ売り上げはあるから、愛着ある事業だから――。こうした判断の先送りが企業の進化を阻み、衰退につながっていく。持続的な成長の実現は、何を手放すかを決めることでもある。抵抗する社員の士気は保てるか。残された人員や設備をどうするか。企業価値向上を実現するための、事業の売却・撤退とは。事業ポートフォリオ転換に挑む、企業の現場に迫った。 <特集全体の目次> ・パナソニック、捨てられない企業の末路 テレビ事業売却先なし ・味の素、退職ドミノ防いだ事業転換 米イタリアン冷食撤退で社員に解雇不安 ・アシックス、野球用品など撤退次々 責任たらい回し断つ「宣言会議」 ・株価2年で4倍のSWCC、社長号令「2カ月でROIC武器に」 90年の伝統も手放す ・王子HD、子供用紙おむつ撤退に現場猛抵抗 「まだやれる」の執
