ほとんど情報が出せない段階だが、驚きの出来栄えに興奮を覚え、記しておきたくなったスタジオポノック最新作「屋根裏のラジャー」(12月15日公開)。元スタジオジブリのプロデューサーであり、ポノックを立ち上げた西村義明社長がプロデュースを務める長編2作目になる。 西村氏がジブリ時代から仕事をともにし、絶大な信頼を置く百瀬義行監督が100%の完成度を目指した新作であり、当初は昨年夏の公開予定だったが、1年半遅れて今年12月の公開になった“問題作”でもある。8月21日に行われた製作報告会見では、公開延期で会社経営が厳しい状況に陥ったと西村氏が発言。メディアで取り上げられ話題になった。 そんな本作は、タイトルの言葉のならびや質感がいかにもジブリっぽく、ヨーロッパ児童文学の長編アニメ映画化もジブリの作品群のひとつと同様の手法だ。本作がジブリの血を受け継ぐ系譜の作品であることは間違いない。 しかし、それら