人工知能(AI)を活用するシステムを円滑に開発し、さらにビジネスの成果に結びつける鍵は何か。AIシステムの構築を手掛けるIT企業は、「いかに効果的なKPI(重要業績評価指標)を設定するかだ」(ブレインパッドの筧直之アナリティクスサービス本部副本部長兼営業部長)と口をそろえる。 実際、適切なKPIを設定したことでAIシステムの開発が円滑に進み、着実なビジネスの成果を確実にしている企業がある。送変電設備の運用を手掛ける東京電力パワーグリッドだ。 同社は送電線の異常を深層学習で検出するシステムを、ITコンサルティングのテクノスデータサイエンス・エンジニアリング(TDSE)と共同で開発し、2018年4月に稼働させる。深層学習の対象にした作業は、ヘリコプターなどで撮影した動画データを基に、軽微な損傷や異物の付着といった異常を見つけ出すもの。これまでは熟練した作業者が動画を10分の1のスピードでスロー
![送電線の異常を検知するAIシステム、多少の誤判定を許して成果](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1561b5818dfa00c9214dbfe5e297b09ded092461/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fatcl%2Fnxt%2Fcolumn%2F18%2F00220%2F032200004%2Ftopm.jpg%3F20220512)