マティスの「切り紙絵」を楽しむための10の切り口国立新美術館で始まった「マティス 自由なフォルム」。巨匠マティスの切り紙絵にフォーカスしたこの展覧会をより楽しむための10の切り口をご紹介する。 文=齋藤久嗣 展示風景より、アンリ・マティス《花と果実》(1952-1953) ©Succession H. Matisse アンリ・マティスといえば、「色彩の魔術師」とも呼ばれるように、その美しく鮮烈な色彩による油絵の作品をイメージする方も多いかもしれません。しかし彼はその最晩年、ハサミと紙による「切り紙絵」という新たな手法で新境地を開拓します。この「切り紙絵」にフォーカスした展覧会「マティス 自由なフォルム」が、2024年2月14日から国立新美術館で開催中です。そこで、「切り紙絵」を中心にマティス晩年の作品について、10の鑑賞のヒントをご紹介します。 1. なぜマティスは晩年に「切り紙絵」を創始