所有と国家のゆくえ (NHKブックス) 作者: 稲葉振一郎,立岩真也出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2006/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (56件) を見る まだ第1章読了段階だが、特に立岩氏の議論について、自分にとってなじみのない(或いは違和感のある)展開がでてくるので、取りあえずメモしておく。 まず、国家がなすべきこととして「分配」があり、その上で、各自に交換するだけの手持ちがある場合には、交換は有益とされる。この点については、稲葉氏の議論の中にも「所有が市場の前提」という言葉が出てくる。また、この所有に関する立岩氏の補足説明の中には、「誰が最初にどういうものを持ってていいってことになってんの、という問題こそが基本的な問題」という発言がでてくる。これらの論点は、初期状態における手持ちの「資産」を所与として考える思考に慣れきっ