公用車として高級車のセンチュリーを購入したのは、違法な支出であるとして、山口県の元職員が県を相手取り、村岡嗣政知事に購入費2090万円を請求するよう求めた住民訴訟。山口地裁(山口格之裁判長)は昨年11月2日、知事に全額請求するよう県に命じる判決を下した。 これまで公用車を私的に利用したなどとして、首長や議員が住民から提訴されるケースはあったが、公用車の購入自体が問われた訴訟はめずらしいという。また、こうした住民訴訟では通常、自治体の裁量権が広く、住民側が敗訴することが少なくない。 ところが、今回は、山口県に対して、「裁量権を逸脱、濫用した財務会計上の違法行為」と断じた。異例といえる判決だ。 なぜ、裁判所はこう判断したのか。判決を読み解きながら、原告代理人である内山新吾弁護士に聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香) ●センチュリー購入めぐり、原告と山口県は対立 この裁判は、山口