【1】 “再審”は、確定した判決を否定して裁判をやり直すことです。 この再審が認められることの難しさを、改めて示す裁判所の判断が出ました。 50年前に、農薬が入ったぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」です。 死刑か、“無罪”か、判断が揺れ動いた異例の事件です。 確定した死刑判決に誤りがあった疑いが出てきたとして、7年前にいったん再審が認められましたが、今回は、認めない決定が出ました。 刑事裁判では、検察が、有罪であることを証明してはじめて有罪、証明できなければ無罪です。 弁護団は、まるで、逆に無罪の証明を求めるような決定だと批判し、疑わしきは被告人の利益に、という刑事裁判の原則をめぐる争いが、最高裁で続くことになります。 再審が広く認められるのか、依然として狭き門なのか、専門家が注目していた、今回の決定が持つ意味を検討していきます。 事件が起きたのは、5