あらすじ1940年――ナチスドイツはついに宿敵フランスを下した。 ベルリンの町が戦勝の興奮に包まれる中、オットーとアンナのクヴァンゲル夫妻の顔色は冴えない。 フランス侵攻の際、一人息子のハンスが戦死していたからだ……。 絶望の中、オットーはカードに「ヒトラーに抵抗せよ」と、反ナチスドイツのメッセージを記して、ベルリンの町にそっと置くようになる。 「砂粒が挟まったくらいで機械は壊れない。だが、何度も砂粒が挟まれば壊れるんだ。このカードは、その砂粒なんだ」 機械工らしいそんな理屈で、夫妻は小さな抵抗を続けていく。 しかし……。 そんな砂粒のような抵抗すら、もはや許されていなかった。 ※史実ではハンペル夫妻で、行動のきっかけは息子の死ではなく、妻の兄弟の死 我が子を失った父母の苦しみ本作は、冒頭で夫妻の息子であるハンスが亡くなる場面からして、苦痛に満ちています。 大抵の映画では悪として扱われるナ
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