武装勢力タリバンが権力を掌握し、混乱が続くアフガニスタン。 タリバンはどのようないきさつで結成され、何を目指しているのでしょうか? 東京外国語大学の講師で、アフガニスタンやパキスタンの歴史や政治にくわしい登利谷正人さんに聞きました。 (聞き手 国際部記者・田村銀河、北井元気) Q そもそも「タリバン」とはどういう意味ですか? タリバンは、イスラム教の神学校「マドラサ」で学んでいた学生が中心となって結成された組織です。 マドラサで学ぶ学生はアラビア語で「タリブ」と呼ばれ、現地のパシュトー語の複数形が「タリバン」。 みずから名乗ったのではなく、勢力を拡大していくうちにメディアなどを通じて「タリバン」という呼び方が定着していきました。 1978年にクーデターで成立した共産政権内部の路線対立により、アフガニスタンが勢力圏から離れることを恐れた旧ソビエトがアフガニスタンに軍事介入し、みずからが後ろ盾