妻とキャバクラに行った。なぜそのようなことになったのかというと、学費を稼ぐためにキャバクラで必死に働いている女の子を支援したい、そんな僕のピュアな気持ち、義侠心が溢れ出てしまったからだ。溢れかたがマズかった。午後七時の閑散としたオフィス、人目も憚らずデルのパソコンを寺社に見立て「キャバクラに行きたい。キャバクラでやりのこしたことがある…」と声を出し祈念する僕の後ろに妻。 妻は今月から同じ会社で働く同僚。不審感を隠さない妻を誤魔化すため、「若い世代を支えるのは僕たち大人の務めだ」「義務だ」「絆だ」「僕は今年は支援していないから地獄に墜ちる」という調子で習性で営業トークを連発しているうちに、妻のなかでキャバクラへの興味が勃興してしまい、遂に同伴することになった次第である。悲しいけど俺営業なのよね。「出陣じゃー」と意気揚々な妻の後ろについていく僕の足の重いこと重いこと。 先月の三度にわたるキャバ