東西の個人と社会そして「自由・平等・平和」の成り立ち 「日本の歴史をよみなおす」のほうが上かな? 網野史学の出発点 民俗の歴史学は本書で始まった 日本中世の自由とは何か この聖なる混沌の領域も、俗なる秩序の世界が発展し階層・分業社会化するに従って「善き聖」=浄と「悪しき聖」=不浄(穢)とに分離していくことになる。 つまり、社会の階層分化にともなって、シャーマン・呪術師・司祭などの専門職が登場し、それまでタブーとされてきた聖と俗の二つの領域をつなぐ儀式を独占することによって、彼らは支配階層として社会の上位に位置していくようになる。彼ら支配階級の登場は聖なるものを排除された外部から、日常生活を規定する価値基準へと変えていき、さらに、それら聖なるもののうち「善き聖」の独占者としての祭司王の登場によって、秩序世界と相補的な聖の分極化が始まることになる この不浄を浄に変える儀礼はかつては聖職者の独占