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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (36)

  • 『親族の基本構造』 レヴィ=ストロース (青弓社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋ウェブストアで購入 『親族の基構造』は1947年に刊行されたレヴィ=ストロースの主著である。レヴィ=ストロースの名を文化人類学の世界で一躍高めるとともに、構造主義の出発点ともなった。 日では刊行から40年もたった1987年になってようやく番町書房から最初の翻訳(以下「旧訳」)が出た。学問的に重要なであるのはもちろん、40年の間には二度の構造主義ブームもあったのに、これだけ時間がかかったのは『親族の基構造』がそれだけ難物だからだろう。 旧訳の翻訳にあたったのは日文化人類学の一方の中心である都立大の研究者たちで、書であつかわれる東シベリアからインドにいたる地域で実地調査した経験のある人も含まれていた。 学問的には申し分ないだろうが、旧訳は読みやすいではなかった。わたしは出た直後に読もうとしたが、第一部の手前で挫折した。 今回もう一度挑戦しようと思いたったが、2001年

    『親族の基本構造』 レヴィ=ストロース (青弓社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2013/12/03
    訳がよくなったらしい
  • 書評空間:UMATフォーラム@書評空間: 『書き込みシステム1800/1900』(未邦訳)フリードリヒ・キットラー

    →紀伊國屋書店で購入 ●「私たちの知のあり方は、言説を保存し、記録するシステムの論理によって決定される」 ふだん、私たちは自由に世界を見わたし、物を考えている。私たちは目の前の事物をごく自然にまなざし、それに意味を与えていく。まなざし、意味を与える「私」が世界の中心にいて、世界を知覚し、意味の秩序を与えることは、ふだん私たちが何の変哲もなく行っていることだ。 しかしそうした「人間主義的」なパースペクティヴは、フーコー『言葉と物』によって打ち砕かれた。私たちの世界への関わり方、物の考え方は、あたかもソフトの最適化がコンピュータのフォーマットに従わざるをえないように、その時代ごとに存在する《フォーマット》に規定されている――それが『言葉と物』の主張だった。 キットラー『書き込みのシステム』も、この《フォーマット》を理解する試みとして位置づけることができるだろう。その際、この《フォーマット》を論

    書評空間:UMATフォーラム@書評空間: 『書き込みシステム1800/1900』(未邦訳)フリードリヒ・キットラー
  • 『アンアンのセックスできれいになれた?』北原みのり(朝日新聞出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「恋愛・性愛至上主義を相対化するために必読の一冊」 書は、フェミニストであり、女性のためのアダルトグッズショップの代表も務めている北原みのり氏が、雑誌『an・an(以下、書にならって“アンアン”)』を、その創刊号から読み直した記録である。現代の女性文化の変遷を知る上で、格好の著作といえよう。直截にいえば、私自身は全ての内容に同意や共感ができるわけではないものの、現代の女性たちの文化を理解するためには、非常に資料的価値の高い著作といえる。 氏が注目しているのは、アンアンの中でも名物特集といえる、セックス特集の記事である。冒頭にも記されているように、1989年4月に発売されたアンアンのセックス特集のタイトルは「セックスで、きれいになる」であった。 結論を先取りすれば、書のタイトルにもなっているように、著者の主張としては、女性たちは、「アンアンのセックスできれいになれ

    『アンアンのセックスできれいになれた?』北原みのり(朝日新聞出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2011/10/01
    <「恋愛・性愛至上主義」「愛あるセックス」からの自由を目指していたはずが、いずれそれ自体がハードルとなって女性を苦しめ主婦でいいやなバックラッシュに>、と。バブルならイケイケでもいいんだろけどね
  • 『“道”と境界域―森と海の社会史』田中 きく代 阿河 雄二郎【編】(昭和堂) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「道の諸相」 「道」という概念と「境界」という概念をキーにして、さまざまな社会史的な考察を集めた「学際的な」論集。中には「越境」という概念を細い糸のようにして、どうにかつないでいる論考もある、それでもこうした企画はふだんはあまり触れない論文にあたることができて、読者にはありがたい。ぼくだったらどんな文章を寄稿するだろうかなどと考えながら読んだ。 領域べつに大きく分けて三つの分野でまとめられている。「森の世界が作る〈道〉」「ものと情報をつなぐ海と陸の〈道〉」「〈境界〉経験による再生の〈道〉」である。第一部の「森と獲物の領有をめぐって」では、フランスでは中世の末期から、平民を狩猟から排除しようとする傾向が強まっていることに注目しながら、狩猟が「身分による差別化」(P.4)の手段として利用されていることを指摘する。平民は王の森に入って猟をすると罰せられるのだ。バルザックの『

    『“道”と境界域―森と海の社会史』田中 きく代 阿河 雄二郎【編】(昭和堂) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/08/30
    陸上・海上の道と交易、信仰との関連など。国家以前の境界として。市の発展と関連して読むとおもろそう
  • 『金融権力-グローバル経済とリスク・ビジネス』本山美彦(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 石油や穀物の暴騰が、実態経済とあっていないことは明らかである。にもかかわらず、歯止めがかからないのは、「金融権力」がそれを容認しているからにほかならない。その「金融権力」とは何なのかを知りたくて、書を開いた。 「書は、一九七〇年代に始まり、九〇年代に加速化した「金融革命」を解剖し、二〇〇七年、サブプライム問題で露呈したリスク・ビジネスの行き詰まりを明らかにすることを課題としている」。そして、著者、山美彦は、「金融に秩序を取り戻すために何をすべきかを真摯に問う」ている。 著者によると、グローバル化の過程で「権力」を握ったのは、アメリカ証券取引委員会(SEC)が1975年に「お墨付き」を与えたNRSROだという。NRSROとは、「全国的に(Nationality)、認められた(Recognized)、統計処理をする(Statistical)、格付け(Rating)、

    『金融権力-グローバル経済とリスク・ビジネス』本山美彦(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/08/13
    世界的な金融機関の権力闘争について。山一證券への格付けの影響など。また投資ファンドの影響をうけないための方策いくつか(cf.地域マネー、グラミン銀行、イスラーム金融
  • 『ケータイ小説的。』 速水健朗 (原書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 ケータイ小説のブームは2006年の『恋空』をピークに鎮静したが、現在でも固定ファンに支えられて結構な部数が出るという。落ちつくべきところに落ちついたということか。 わたしはケータイ小説には興味はなかったが、佐々木俊尚氏の『電子書籍の衝撃』に活字に縁のなかった地方のヤンキー層が活字の面白さに目ざめたのがあのブームだったと指摘してあるのを読んで、なるほどそういうことだったのかと思った。 ただ、あまりにも腑に落ちすぎる指摘だったので、当にそうなのか確認したくて関連を読んでみることにした。 まず手にとったのは同じ佐々木氏の『ケータイ小説家』(小学館)だが途中で放りだした。 『恋空』の美嘉氏をはじめとする十人のケータイ作家のルポルタージュ集だが、ケータイ小説そのままの文体で書いてあるのである。対象となる作品のさわりが引用されているが、引用と地の文の区別がわからなくなるくらい

    『ケータイ小説的。』 速水健朗 (原書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/08/01
    無文字社会論との対称、中世の非都市民のこととか思いながら読みたい
  • 『海を生きる技術と知識の民族誌-マダガスカル漁撈社会の生態人類学』飯田卓(世界思想社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 書最後の第6章には、「研究者に何ができるか」という見出しがある。書を通読すれば、著者飯田卓がつねに「研究者に何ができるか」を自問自答しながらフィールドワークをおこなっている様子がよくわかる。書の「目次」は、章と節のタイトルまでしか書かれていないが、項まで書かれていると、書の全体像と著書の意図したことが、より具にわかったことだろう。 著者の姿勢は、「序章 漁民文化の潜在力」のつぎの文章からもわかる。「私は、フィールドの人たちからローカルな現実を学ぶと同時に、ローカルな生活感覚からかけはなれたグローバル化状況をも認識していかなくてはなるまい。現在のように専門化していく学術環境のなかで、それは容易でないだろう。しかし書では、それを試みようと思う」。そのような学ぶ姿勢をもつ著者だから、「終章 グローバル化のなかの自然」は、「われわれ日人は、経験に裏打ちされた知識を

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    morutan 2010/07/29
    定住せず海に生きる人達のリアリティとして。「海獣の子供」みたい
  • 『漁民の世界-「海洋性」で見る日本』野地恒有(講談社選書メチエ) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「終章 日文化の基層としての「海洋性」」は、読みごたえがあった。著者、野地恒有の「海洋性」論に、引き込まれていく。それまでの第一~五章の具体的な事例で、のんびりした海辺の情景を楽しんできただけに、その落差は大きい。そして、その海辺の情景が「終章」に収斂して、論理的に語られる。 著者の「海洋性のとらえかたは、柳田[国男]や宮[常一]や北見[俊夫]のそれとは根的に異なっている」。「私は、海に由来していそうな事例群を海洋的要素としてあげて、それらを南から来た海民が運んで伝えた跡と解釈したのではない。そもそも、こうした海民は海洋的要素を運搬し伝道する者という見方については第四章で否定した」。「海洋性とは、日が豊かな海に囲まれ抱かれることによって、そしてそこに住む人々が海を意識することによって、歴史的に後天的に育まれてきた性格である。海洋性は、渋沢敬三や桜田勝徳が言った

    『漁民の世界-「海洋性」で見る日本』野地恒有(講談社選書メチエ) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/07/29
    「日本は稲作定住社会ではなく海洋性に基づいたゆるやかな定住社会だ」という主張は網野の百姓論ともリンクして首肯できる。んだけどそのとき戸籍-税の把握ってどうなってんだろ? 関連:稲作渡来民 http://bit.ly/c2sJ1t
  • 『ヤシガラ椀の外へ』ベネディクト・アンダーソン著、加藤剛訳(NTT出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 まず、訳者加藤剛はじめ、著者アンダーソンのコーネル大学での日人の教え子たちに感謝したい。著者自身が「必ずしも積極的でなかった」書の執筆を引き受けた背景には、「書を日の若い人-研究者を志し大学や大学院で勉強している人、教職・研究職にある若い大学人のために書いてほしい」という編集者のことばに、かつて自身が指導した日人学生の姿があったからだろう。日語出版のためだけに書かれ、イギリス語での出版予定のない書を読む幸運に恵まれたことに感謝したい。 『想像の共同体』で知られる著者は、書の主題として「私の幸運」を考えた。書を読むと、たしかに幸運だったことがわかるが、それを幸運だと思うこと自体、著者の能力だろう。著者自身も、最後のほうで、たんなる幸運だけではないことをつぎのように説明している。「幸運は、学問の場においても日常生活においても、説明することができない。これ

    『ヤシガラ椀の外へ』ベネディクト・アンダーソン著、加藤剛訳(NTT出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/07/22
    学際性(インターディシプリン)を考える際のバランス感覚的なものとして。あるいは日本とアメリカの教育研究機関における地域研究の違い、地域研究のあり方などについて
  • 『ヒューマニティーズ-歴史学』佐藤卓己(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 書を読んで悲しくなった。この手の入門書は、著者が自分の読書歴にもとづいて書かれている。著者と同じや同種のを読んだことのある者は、頷きながら、あるいは自分と違う読み方をしていると反発しながら、読み進める。しかし、を読んでいない者は、このに書かれていることの意味がわからない。書で書かれている「パソコンを使う前にマニュアルを読むようなものだからである」。大学に入学してから読んだを訊ねると、授業で使ったしかあげない学生が読んでも、書はわからない。だから、授業で使えない! 悲しい! シリーズ、ヒューマニティーズ全11冊は、哲学、歴史学、文学、教育学、法学、政治学、経済学、社会学、外国語学、女性学/男性学、古典を読む、からなる。明らかに社会科学に属するものが半数ある。「歴史学は科学か?」と問われた近代と違い、近代科学だけでは明らかにできない現代の諸問題に対処す

    『ヒューマニティーズ-歴史学』佐藤卓己(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/07/22
    「歴史学とは何か?」という問いに対して、通史・一般教養書・歴史小説の違い。「歴史学は科学か?」などについて。「歴史学プロパーではない」と自認する著者による
  • 『タイ 中進国の模索』末廣昭(岩波新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 書は、日のタイ研究の高水準を示す誇るべき成果である。タイの現状を、これだけ詳細に深く、そしてわかりやすく書いたものは、タイ国にもどこにもないだろう。書のなかでは、ほかの日人研究者によるいくつかの文献がしばしば参照されている。したがって、書は著者個人の成果というより、これらの参照文献の著者たちとの共同研究の成果といってもいいだろう。そして、それらの共同研究をリードしたのが、著者の末廣昭であった。 2004-05年に、『戦争の記憶を歩く 東南アジアのいま』(岩波書店、2007年)を執筆するためにタイを広く歩いた。そのときは、2005年2月に実施された総選挙でタックシン首相率いる政党が全議席の75%を占める圧勝をしたように、素人目にはますます政権は安定するかにみえた。翌2006年9月にクーデタがおこり、あっけなく政権が崩壊するなどとは夢想だにしなかった。 著者は

    『タイ 中進国の模索』末廣昭(岩波新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/07/22
    「タイの現在」について。タックシンの「国の改造」政策が王室が目指した「足るを知る経済」と衝突を中心にそこに至る経緯とこれからの展望、そういった対立に対する国民のリアリティ(うんざりだ)など
  • 『占領・復興期の日米関係』佐々木隆爾(山川出版社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 インド洋上での海上自衛隊による給油活動にかんする法案が、国会で審議される。なぜ、日アメリカの「要請」で「国際貢献」しなければならないのだろうか。書を読めば、その歴史的起源・背景がわかってくる。日は、戦後、アメリカの理不尽とも思える「要請」に応えることによって、戦後復興を成し遂げ、アメリカにつぐ経済大国になることができた。しかし、いま、アメリカの「要請」に応えることで、かつてのような大きな見返りは期待できない。それどころか、日の国益にとって、マイナスになるかもしれない。 書を読んで感じたことのひとつは、戦後の日米関係の下での日の経済発展のために、いかに多くの犠牲があったかである。そして、それにたいして立ちあがり、果敢に抵抗した市民がいたことである。「占領・復興期の日米関係」とは、国家間の思惑に振りまわされることのない日国民の闘いであったということもできる

    『占領・復興期の日米関係』佐々木隆爾(山川出版社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/07/22
    沖縄の基地問題とか自衛隊派遣に関するバックグラウンドとしてかなぁ
  • 『教育の職業的意義-若者、学校、社会をつなぐ』本田由紀(ちくま新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    morutan
    morutan 2010/07/11
    カツマー的?「キャリア教育」に対して、若者が自分自身と世の中の現実とをしっかり摺り合わせ、その摩擦やぶつかり合いの中で、自分の落ち着きどころや目指す方向を確かめながら進路選択していけるような教育
  • 『現代朝鮮の歴史―世界のなかの朝鮮』カミングス,ブルース(明石書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「韓国の現代史を大づかみにするために」 社会学者の高原基彰です。今回からこの「書評空間」に私の担当欄を設けて頂けることになりました。 私は、「分かりやすくて内容の薄いを何十冊速読するより、濃密で有益な情報のつまったを1冊、時間をかけて読む方が、得るものははるかに大きい」と思っています。分野・新旧の別などあまり関係なく、そういう意味で私が「なるべく多くの人が読んだ方がいいんじゃないか」と思ったものを紹介したいと思います。よろしくお願いします。 今回は、著名な朝鮮史研究の歴史学者、B.カミングスによる『現代朝鮮の歴史』を取り上げたい。大部であり、値段も高いである。しかし韓国北朝鮮について、薄っぺらなを何十冊読むよりも、書を通読した方が、はるかに実りが大きいと断言したい。 カミングスは、韓国の知識人に絶大な支持を得るアメリカ人の歴史学者で、特に朝鮮戦争の研究でよ

    『現代朝鮮の歴史―世界のなかの朝鮮』カミングス,ブルース(明石書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/07/10
    戦後韓国の歴史。アメリカの意向に従うような国づくり、財閥癒着型の政治、輸出振興政策のために日米に急速に接近したことが民意の反発を招いたこと(それが現在の反日感情につながる)
  • 『キャッチアップ型工業化論―アジア経済の軌跡と展望』末廣昭(名古屋大学出版会) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    morutan 2010/07/10
    答アジアの経済発展とナショナリズムの並列的発生について
  • 『中国新声代(しんしょんだい)』ふるまいよしこ(集広舎) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「多様な中国を、各界の識者の発言から擬似体験する」 書は、中国に長く住む日人の著者が、中国では名の知られた多様な分野の識者に行ったインタビュー集である。もともと、今はなき朝日新聞社の「論座」で連載されていたものに、再構成や追加インタビューを加えたものである。 著者は長く香港に拠点を置いて中華圏の観察を続け、2001年に北京に移り住んでからは北京・香港・台湾を往復しながら中国社会をウォッチし続けている。村上龍氏主催のメールマガジン「JMM」で記者を務めていることでも知られている。 どこの国でも、「生の声が伝わらない」と嘆く声を聞くことは多い。日韓関係でも、かつてそうだった。双方のマスメディアのフィルタリングに問題があり、お互いに偏った情報しか流布しないことを批判し、「生の声」が伝われば相互理解が進むというような議論である。 しかし大体の場合、「生の声」の大部分は、国

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    morutan 2010/07/10
    中国の現在について。学者、起業家、作家、ブロガーなど多様な人々からのインタビュー
  • 『現代日本の中小企業』植田浩史(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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    morutan 2010/07/10
    クライアント-下請け関係は一方的なものではなく、継続的注文の代償として下請け側が提案能力をサービスするボトムアップ的なものを含んでいた。バブル崩壊以降、こうした暗黙の了解もオープン化され失われていった
  • 『オランダ風説書-「鎖国」日本に語られた「世界」』松方冬子(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 著者、松方冬子の博士論文をもとにした『オランダ風説書と近世日』(東京大学出版会、2007年)を読もう読もうと思いながら、延び延びになっているうちに、この新書が出た。 書は、1960年代まで支配的であった「江戸時代の日は国を鎖していた」という、いわゆる「鎖国論」を訂正されるかたちで進んだ近世日の対外関係史の研究成果のうえにある。「鎖国」と考えられたのは、外の世界としてヨーロッパとアメリカだけを想定していたためであり、その後、東アジアに力点を置いた対外関係史研究が進むと、「江戸時代の日は「対馬口(つしまぐち)」で李氏朝鮮(イシチヨソン)と、「薩摩口(さつまぐち)」で琉球(りゆうきゆう)と、「松前口(まつまえぐち)」でアイヌと、「長崎口」でオランダ人や唐人(とうじん)(中国人が主体だが東南アジアの人々も含む)とつながっていた」ことが明らかになってきた。 これらの「

    『オランダ風説書-「鎖国」日本に語られた「世界」』松方冬子(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    morutan
    morutan 2010/07/10
    鎖国時代の日本について。「鎖国」とはいっても中国に対する貿易の門戸は開いていた。オランダにも。鎖国はヨーロッパから身を守るためだったが、同時に当時のヨーロッパ情勢-日本への志向を知っておく必要があった
  • 『もっと知ろう‼ わたしたちの隣人-ニューカマー外国人と日本社会』加藤剛(世界思想社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「外国人問題」ということばは、「不法滞在」「不法就労」とか犯罪と結びついて取り沙汰されることがある。しかし、書を読むと、「外国人問題」ではなく、日の問題であるとことがよくわかる。 編者、加藤剛は、「はじめに」で、つぎのように日の問題を適確に指摘している。「二一世紀の日社会が検討すべき課題のいくつかが自ずと浮かび上がってくる。ひとつは、書のテーマと深く関わる外国人移民受け入れの不可避性、ひいては書第1章でも触れている「移民政策」策定の不可避性である。もうひとつは、たとえ多くの移民を受け入れたとしても、数千万の移民によって日の総人口を二〇〇四年のレベルにまで戻すことは不可能だということ、したがって日は将来的には、一方で国の借金の返済と高齢者人口の社会福祉負担の増大に対応しつつ、他方で「縮小均衡」経済(略)ないし「人口減少経済」(略)を創出するという挑戦に立

    『もっと知ろう‼ わたしたちの隣人-ニューカマー外国人と日本社会』加藤剛(世界思想社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 哲学者、翻訳家・中山元の書評ブログ : 『もうひとつの中世のために--西洋における時間、労働、そして文化』ジャック・ル・ゴフ(白水社)

    →紀伊國屋書店で購入 「労働の時間」 書は中世学の泰斗であるジャック・ル・ゴフの論文集である。といっても五〇〇ページ近い大冊で、次の四部で構成される。第一部「時間と労働」、第二部「労働と価値体系」、第三部「知識人文化と民衆文化」、第四部「歴史人類学の構築に向けて」。 合計一八章で構成されるそれぞれの部分は、いずれも興味深い議論が展開される。もはや権威者となったル・ゴフであるが、方法論的にも内容的にも次々と新しい提案を示し、権威によりかかることがないのは、さすがである。 ル・ゴフがとくに有名になったきっかけである労働論と時間論は、書の中心を占めるものだろう。この二つの議論は、とくに利息の問題をめぐって結びついてくるのである。フランシスコ会のある博士は、商人が掛け売りした場合には、現金払いのときよりも高い料金を要求できるかどうかという問いをたてる。そしてそれを否定する。その論拠は、その場合

    哲学者、翻訳家・中山元の書評ブログ : 『もうひとつの中世のために--西洋における時間、労働、そして文化』ジャック・ル・ゴフ(白水社)
    morutan
    morutan 2010/07/08
    中世において「神からの賜り物としての時間やモノの売り買い」という考えが基本となり掛売りなどは通用しなかった。「労働」概念が編み出されることで高利貸しも認容されていった(cf.プロ倫、サブプライム