ビジネスで活用できるマクロ経済学(日本全体をとらえる経済の見方)の入門書としてとても読みやすい。ラジオでの話をベースにしているので語り口が滑らかに構成されているのも長所。前作のミクロ編『思考をみがく経済学』よりも個人的にはこちらの方が面白かった。 また実際の経済を大枠で理解するいくつかのヒントがちりばめられているので、この本をベースにしてなるべく道を踏み外さすに(素人の人が陥りやすいのは基本を逸脱して自説で断定してしまうところだ)、さらにレベルの高い本に向かうのがいいと思う。 以下は本書でよかったと思う点をいくつか列挙。 1 景気の動向を知るためのいくつかの経済指標とその先行・一致・遅行の性格についての説明を丁寧にしていること。政府やメディアの発表するデータの特性に注意して、脊髄反射せずにそのデータを冷静にみることができる。 2 経済と「幸福度」との関連を重視していること。特に経済成長との
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