もう15年くらい前の話だが、夏の京都へ旅行にいった友人から「竹筒に入った水羊羹(みずようかん)」をお土産にいただいた。細い青竹に詰められた水羊羹、なんとも涼しげでありがたい。 ただしその容器は、プラスチックで製造された人工の竹筒だった。超高級和菓子店ならともかく、すでに当時から水羊羹の竹筒はプラスチック製が主流だったのだろう。寿司や刺身のバランと同じ話だ。 本物の竹に入っている水羊羹とプラスチック製では、なにか味に違いがあるのだろうか。青竹のさわやかな香りや味が水羊羹に移るのか。そんな疑問を抱いたのだが、その後に本物を食べる機会は一度もなかった。 竹筒入りの水羊羹を手作りしてみよう、ただし太い竹で そんな話を思い出したのは、先日のタケノコ掘りにいったからである。青々と茂る新緑の竹を見て、この竹を一本いただいて、自分で水羊羹を作ってみようと思ったのだ。 ▲友人の友人であるぼんどさん家の竹林に