パブリッククラウドの導入が一段と進んでいる――。こう感じた出来事があった。クラウド導入を専業とするITベンダーに取材に行った際に、「スーツ姿で勤務することが増えている」という話を聞いたことだ。 スーツ姿が多くなったのは、顧客であるユーザー企業の規模が大きくなったり、これまでは保守的でクラウドの導入に慎重だった企業でも採用を検討し始めたりしたからだという。「打ち合わせで先方に出向く際に、ラフな服装では浮いてしまう。そこで仕方ないから毎日、スーツ姿で出勤するようになった」とクラウド専業ベンダーのITエンジニアは苦笑していた。 パブリッククラウドの導入がより一般的になることは、クラウド導入を手掛けるITエンジニアにとって嬉しい話かというと、手放しでは喜べないようだ。超大規模で歴史のある企業の場合、堅い服装で、意思決定は遅く、新技術の採用に慎重なケースが一般的に多いようだ。こうしたユーザー企業と付