特許庁は、特許や商標の出願情報を処理する新システムの現行の開発計画を断念した。受注した東芝子会社の作業が遅れ、続行は不可能と判断した。近く契約を打ち切り、入札をやり直す。開発にはコンサルタント会社分も含め50億円超を支出しており、同庁は返還を求める方向で検討する。審査業務の迅速化につながる新システム導入が遅れる恐れもあり、専門家からは「日本の知的財産戦略に影響が出かねない」との声が上がっている。 新システムは、06年に開発に着手し、3社による一般競争入札の結果、技術評価は最も低かったものの、予定価格の6割以下の費用を示した東芝子会社の東芝ソリューションが約99億円で落札した。 当初は11年1月に稼働予定だったが、07年ごろから設計・開発が大幅に遅れ始めた。東芝ソリューションは1000人超の体制で巻き返しを図ったものの、事態は好転せず、稼働予定時期を12年1月、14年1月、17年1月と繰り返