デジタル化の時代、紙の本は資源のムダ使いなのか。書籍出版に携わる企業がそんな負のイメージをくつがえそうと必死になっている。書名がいくら「脱炭素」「持続可能な開発」とうたっても、モノ自体が環境にやさしくなければ看板倒れ。返品率を減らし、工程の電子化を突き詰め、「紙の本を出し続けるために紙を節約する」ジレンマに挑む。224ページの紙の本1冊を作って廃棄するまでに出る温暖化ガスは500ミリリットルペ
今年(2023年)4月28日に出版された『土偶を読むを読む』。皆さんお手にとって頂けたでしょうか? 検証・批判する元本『土偶を読む』の存在を前提としているため、普通に考えると、非常に間口の狭い書籍であるにも関わらず、6月に2版、11月に2版2刷、実質3刷となり、部数も1万部を越えることができました。ひとえに読んでいただき楽しんでいただいた皆さんのおかげです。もちろん部数だけで言えば『土偶を読む』(現在9刷?)に今のところ全く歯が立ちませんしベストセラーとは言いませんが…。 この本の企画は簡単ではありませんでした、出版後に起こり得る状況がある程度想像できるだけに、何度も逡巡し、どう編集すればいいのか途方に暮れ、そもそも検証し反論するためにあらためて勉強しなければならないことの多さに、編集・執筆を始めてからも何度もイヤになっちゃったりしていました。 ですが、この年を振り返り、今となっては本当に
印刷用紙の高騰などで年々値上がりする文庫本。1冊千円超えも登場している=札幌市豊平区のコーチャンフォーミュンヘン大橋店 安価で手軽さが魅力の文庫本の値上がりが、読書家や書店を悩ませている。ページ数の増加などの影響に最近の紙代高騰が加わり、平均価格はこの30年で6割近く上昇し、1冊千円以上の本も珍しくない。家庭の書籍購入額も低迷したままで、書店関係者は「紙の本離れがますます進む」と危惧する。 「好きな作家を応援する意味でも新刊を買うが、値段を見て『意外と高い』と思うこともある」。小説などを毎月10冊ほど読む札幌市東区の男性(30)は苦笑する。 書店では特に海外の小説や学術系で千円超えの文庫本が目につく。出版科学研究所(東京)によると、2021年の新刊文庫本の平均価格は732円。1991年の467円から57%上昇した。30年のうちに税率が3%から10%に上がった消費税を加味すると、67%高くな
「炎の営業日誌」で突然はじまった「本屋大賞ができるまで」の話をこちらにまとめて掲載して参ります。はたしていつまで続くのかわかりませんが…。(本の雑誌社 杉江由次) 第1章 それは飲み会から始まった第1話 朝の電話が世界を変える 午後は本屋大賞実行委員会の中野さんと内田さんがやってきて、20周年に向けての打ち合わせ。思い返せば20年前、この二人(+志藤さん)と新宿の陶玄房で飲んでいたところから本屋大賞は始まったのだった。 あのとき(2003年1月下旬)はこの「WEB本の雑誌」でPOP王の連載を始めるにあたって運営の博報堂の中野さん(43歳)とシステムのユーピー(当時はBDI)の志藤さん(30歳)にPOP王こと三省堂書店・内田さん(33歳)を紹介する飲み会だったのだが、いつしかすっかり打ち解け、数週間前に受賞作なしで終わった直木賞(第128回)の話題となり、だったら自分たち(書店員)が選ぶ賞を
ちょうどひと昔前のことになります(自社の出版とは離れた話題ですが、御容赦を)。 私が小学校の「おやじの会」の現役会員だった頃の話です。「おやじの本棚」をやろうということになり、私にも協力の依頼がありました。これまでありそうであまりなかった企画ですね。もちろん、積極的に協力することにしました。 おやじが子どもの頃に夢中になって読んだ本、でも先生や母親はあまりいい顔をしなかった本、 そういうのをどんどん入れました。「怪盗ルパン」も「少年探偵団」もいいじゃないですか。これらを否定することは自分自身の来た道を否定することです。新しい本も入れます。松原秀行さんの「パスワード」シリーズ、はやみねかおるさんの「夢水清志郎」シリーズ、杉山亮さんの「もしかしたら名探偵」シリーズなどは大人が読んでもおもしろい。『チリメンモンスターをさがせ』(偕成社)とか、もし子どもの頃にあったら、夢中になって読んだに違いあり
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集英社、講談社、小学館は5月14日、出版流通を手掛ける新会社の設立について、大手商社の丸紅と協議を始めたと発表した。AIを使った配本の最適化や、RFIDを使った在庫管理などを進める計画。「出版流通全体が新しく生まれ変わることで、快適な読書環境を維持していく」としている。 3社は「出版界は構造的な課題を抱え続けており、各部門においての改善が急務」と認識。新会社を通じ、抜本的な改善に取り組んでいくという。新会社の設立時期や資本構成、規模などは明らかにしていない。 新会社では、書籍・雑誌の流通情報を網羅的に把握し、配本や発行をAIで最適化する仕組みや、RFIDを使った在庫や販売条件の管理、棚卸の効率化、売り場でのリコメンド、万引き防止などが可能なシステムを構築・運用することを検討する。 パートナーの丸紅は、新会社を全面的にサポートする。「出版界と長年にわたって取り引きがあり、他業界でサプライチェ
先日、書店で見た光景。 レジで初老の男性客が、多量の本を買って精算を待っている。手持ちぶさたに、書店員に話しかける。 「本は総額表示じゃないんだね。」 書店員は、「ええ、まあ」と口をにごしている。 気持ちはわかる。下手な受け答えをして、お得意さんの機嫌を損ねたくはないし、「なんで、版元の表示の都合に私が言いわけしなくちゃならないんだ」という気分もあるだろう。でも、ちゃんと答えてほしいとおもう。本には、総額表示にできない理由があるのだから。 もとより、「総額表示義務化」はこれからの消費税増税に向けて痛税感を緩和するためにおこなわれた。「価格表示に混乱がある」「レジでわかりにくい」などという、絶無とまではいかないまでも、普遍性も切実性もない理由がつけられているが、そこに正当性はない。 私が小出版社の営業として見聞した範囲から言うと、この正当性のない理由づけに諾々と従えば、書籍流通、とりわけ既刊
平林緑萌 @moegi_hira おのれ財務省……(詳しく説明すると長いのでアレなんですが、とにかく七面倒くさいことになり、少なからぬ出版物が品切放置せざるを得なくなる可能性がある)/出版物の総額表示 スリップは「引き続き有効」 財務省主税局が説明-文化通信デジタル bunkanews.jp/article/222020/ 2020-09-15 22:29:02 平林緑萌 @moegi_hira めちゃくちゃ簡単に言うと、いま本のカバーに表示されている「本体価格+税」という形の表示はNGになります。つまり、スリップの刷り直し、カバーの刷り直し、シールの貼り付けなどが必要になり、そして店頭在庫の問題もあるので版元も取次も書店も大変です。 2020-09-15 22:33:06 平林緑萌 @moegi_hira これが来年度からということらしいので、いまから大慌てで準備しても印刷や改装の時間を
「医療系出版業界の話」というと、わりと小さい業界話になるのかなと思っていたんですが、話してみるとかなり普遍的な「本の作り方」だとか「人との付き合い方」だとかになってまいりました。 犬と病理医、第8回は、前回(医療系出版営業と編集者編 前編)に引き続き、後編をお届けします。 前回記事↓ snsiryounokatachi.hatenablog.com ■「紙の本」という特殊な商品の特殊な流通 本って、流通経路がかなり特殊なんですよね。たとえば新刊本は販売者(書店)が小売価格を決めることができない。全国どこでも同じ本は同じ価格で、書店は「書棚さえあれば資金がなくても開店できる」という制度にする必要があった。「国語政策」の一環として。地方と都心で本の価格が変わっちゃったら統一教育ができないからですね。これが「再販制度」です。また、本の流通促進のために、巨大な「取次会社」という流通・金融機関を作り
(この原稿は、ちくまでの連載エッセイの冒頭に、新たに後半部分を書き足したものです) この前、対談をしている時に、苦手な本とか良さがわからない本が、ネットとかSNSとかで好意的に紹介されていたら、本当は違うのに、どうしても世の中全てがそれを勧めているみたいな感覚になって、つらい気持ちになるんじゃないか、っていう話をしていて(私の本が苦手な人は確実にいるっていう話の流れからです)、ああ、やっぱり本屋さんならその横に「私はこっちの方がいい気がする!」って思える本が並んでいるからいいよね、本屋さんはずっとあってほしいな、と思っていた。リコメンドはとても参考になるけれど、リコメンドだけで他が見えない空間と、他の本とともにポップでリコメンドがある本屋さんはやっぱりちょっと違っている。私の本が苦手な人はいて当たり前だし、むしろ、苦手な本があるっていうことは、自然なことだと思っている。芸術や文化の前に立つ
ポプラ社は緊急事態宣言下で休業に追い込まれている書店への支援策として、4月22日からトーハンのECサービス「e-hon」の加盟書店を対象に、ネットで販売した同社商品の売り上げの20%を還元する取り組みをスタートした。他の出版社にも参加を呼びかけ、ECサイトを運営する書店にも同様の提案をしており、業界全体に広げることを目指している。 「e-hon」は利用者が商品を購入する場合、加盟書店から選んだ「My書店」での受け取りを利用すると送料・手数料無料で受け取れるサービス。現在、全国の約3000書店が「My書店」として加盟している。 ポプラ社の支援策は、4月1日から緊急事態宣言の期間とされる5月6日までに「e-hon」で購入された同社商品の売り上げに対して、登録された「My書店」に本体価格の20%を報奨金として還元するもの。宣言期間が延長された場合は施策の実施期間も延ばす。 加盟店が店舗を休業して
2019.12.07 12:05 ヘイト本を生んだ「無自覚」。出版社と本屋の“罪”を問う/永江朗インタビュー 2019年は日韓関係の悪化が進行した1年だった。本屋に行って差別的な言葉を目にする機会も増えた。 たとえば、「韓国なんて要らない」というキャッチコピーをつけた「週刊ポスト」(小学館)2019年9月13日号の記事が大炎上したのは記憶に新しい。 しかし、「週刊ポスト」はほんの一例。新書コーナーなどを歩けば、韓国や中国に対して醜悪な言葉を叩きつける、いわゆる「ヘイト本」が多数並んでいる。 多くの本屋を取材し、出版業界や出版文化に詳しい永江朗氏は、こういった状況を指摘しながら「本屋をのぞくのが苦痛になってきた」と語る。 この状況はなぜ引き起こされ、そして続いているのか。『私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(太郎次郎社エディタス)を出版したばかりの永江朗氏に話
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