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ブックマーク / gitanez.seesaa.net (17)

  • 文学におけるマニエリスム/グスタフ・ルネ・ホッケ: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 ともすれば「何もかも飽和状態で、全部ある」ように見えて、それでいて、型(=既存の領域、枠組み)にはまった思考がそう感じさせるだけで、実は�手つかずの隙間領域がそれを隙間と呼ぶのもはばかられるほど広大にある。 つまりは、現実は何も行き詰まっていないのに、凝り固まった思想がそう感じさせているという似非袋小路の状況。 それがいまの状況だろうということは、1つ前の記事で紹介した高山宏さんと中沢新一さんの対談集『インヴェンション』でも語られていました。 ▲今回読んだ、ホッケの『文学におけるマニエリスム』。分厚い。 そんな状況下で、似非袋小路を打破して面白いものをつくり出す(イメージできるようにする)ためには、2つあるものの間を来るインヴェンション、そして、まさに来異質である2つのも

    文学におけるマニエリスム/グスタフ・ルネ・ホッケ: DESIGN IT! w/LOVE
  • 僕が難読本を読む理由: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 僕が勤めるロフトワークという会社では、毎月はじめの月曜日にクリエイティブMTGという名で、参加を表明した7−8名程度が1人5分ずつプレゼンをするイベントがあります。 今日もそれがあって、僕も「僕が難読を読む理由」というテーマで、ちょっとしたプレゼンをさせてもらったのですが、せっかくなので、そこでしゃべったことをブログ記事にしてしまうか、と。 上は、うちの棚の一部ですが、ここに並んでいるあたりが僕のお気に入りの。 まあ、なかなか人が読まないばかり読んでます。 左から5冊はバーバラ・スタフォードという18世紀の啓蒙の時代においてイメージが科学や教育に果たした役割を扱うのが抜群に上手な女性研究者の著作。そして、もう1人、僕がすごく影響を受けているフランセス・イエイツがとい

    僕が難読本を読む理由: DESIGN IT! w/LOVE
  • デザインの体幹 Vol1&2 のスライドをシェア: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 5月から「デザインの体幹」というトークセッションイベントをやってます。 前にこの記事で紹介した「デザインの深い森」というイベントの続編です。 ▲昨夜の「Vol2.物語編集力」のスライドの一部。物語編集力を実践で示すためにつくった15世紀東西の歴史年表 「デザインのための4つの領域を鍛える連続トーク講座」と銘打って、ファシリテーション/物語編集/リフレーミング/構想の4つのテーマを1回ずつ、僕と千葉工業大学の山崎先生にプラス、テーマに応じたゲストを迎えてトークを行うイベントです。 昨日は、Vol2.ということで「物語編集力」をテーマに話しましたが、結構、ディープでカオスで参加者の頭を悩ませるトークが繰り広げられました。 ゲストの方を含めて3人それぞれが三者三様の形でテーマを噛

    デザインの体幹 Vol1&2 のスライドをシェア: DESIGN IT! w/LOVE
  • 意味論的転回―デザインの新しい基礎理論/クラウス・クリッペンドルフ: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 すでに何度か紹介してきたクラウス・クリッペンドルフの『意味論的転回―デザインの新しい基礎理論』ですが、まとまった書評を書いていなかったので、あらためて紹介してみようと思います。 なんといっても、これからのデザインの意味、そして、今後の人間社会の意味を問い直すためには非常に有効なだと思いますので。 さて、書のなかでクリッペンドルフは、 デザインとは物の意味を与えることである。 と述べています。 また、別の箇所では、 デザインは他者に対し現実化可能な人工物を提案することである。 とも言っています。 「物の意味を与える」というのは、僕は人と物とのあいだにインターフェイスをつくることだと理解しています。 もちろん、ここでいうインターフェイスはコンピュータやデジタル機器のGUI

  • スライド公開「デザインの深い森 vol.1 魔王のテーブルのうえで」: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 「“デザイン”そのものをリフレーミングする」をテーマに、千葉工業大学の山崎先生といっしょに全6回で開催するイベント「デザインの深い森」なるものをはじめています。 まず9月25日に�「魔王のテーブルのうえで」と題して第1回目のイベントを開催しました。 山崎先生と交互に講演を担当する予定ですが、第1回目は僕が担当。 そのときのプレゼンに使った資料を公開します。 今回は資料のみだとまったく意味がわからないので、講演用に書き起していたスクリプトとともに公開しました(keynoteでつくったものを発表者ノート付きでPDFにはきだし。まー、実際はこのまんまはしゃべってないけど)。 そのかわり絵が小さくなってるけど、そのあたりはご了承を。 大作です。そして、イベントの2回目も参加者募集中

  • 多義から一義へ:絵から図が分裂した17世紀: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 いま会社の班活動で「図」に関する研究活動をしています(会社で班活動って何?という方はこちらをご覧ください)。 上の写真のようにいろんな種類の図を集めて、それを分類したり、分類ごとの特徴を抽出したりしました。次のステップでは、自分たちでも図を使って自分たちの考えをうまく伝えられるようになることを目指して活動しています。 そんな班活動のために図を集める作業をしていた際、以前から気になっていたアタナシウス・キルヒャーのことがあらためて気になりはじめました。 お目当ての図を探そうと検索していると、やたらとキルヒャーの著作に掲載された図が出てきたからです。 それもあって、いまジョスリン・ゴドウィンの『キルヒャーの世界図鑑―よみがえる普遍の夢』を読みはじめました。読みながら、キルヒャー

  • 専門性と地図の時代の終わりに: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 1962年発刊の古典的名著『グーテンベルクの銀河系』の冒頭、マーシャル・マクルーハンは『リア王』を引きながら、シェイクスピアがその作品の中で描いた17世紀初頭におけるスペシャリスト(専門家)の時代の到来について言及しています。 ただ王の名と それに纏わる形だけはこの身に留めておく、 が、統治の実権、財産収入、その他いっさいの大権行使は、 よいか、挙げてお前らの手に委ねるぞ、 宮殿の王座の間に集まった3人の娘達や下臣たちの前で、リア王はこう宣言し、自らの権力や財産を娘や下臣たちに委譲しようとします。 マクルーハンは、シェイクスピアが描いたこの権限委譲と領土の分配のシーンに、スペシャリストの誕生を読み取ります。 自国の地図を手にし、”よいか、私の治下の領土を3つに分けた”と口に

  • 未知を知へと変換する「生きた知識」のための劇場: DESIGN IT! w/LOVE

    17世紀に流行のピークを迎えることになる、驚異の博物館に関するこの定義は、16世紀の後半に書かれた、クヴィッヒェベルクによる『壮大なる劇場の銘または標題』(1565)の冒頭に示されたものだといいます。 そして、その比較的早い段階においてなお、この博物館が知識を手に入れることを目的とするものだということがはっきりと意識されていたことがわかります。 彼がこれを書いた当時、ヨーロッパにおける珍品崇拝の地理的広がりは、その150年後ほど秩序だったものではなかった。それでも、蒐集家たちは、共通の目的によって、国境を超え、個々の財力に応じて、「蒐集家の共和国」というべきものを形成していた。彼らは「すばらしい知恵と結びついた、世界に対する真実かつ独自の理解をすみやかに、容易に、安全に手に入れる」ために、世界を標化するという唯一の目的を共有していた。 ここで注目すべきは、当時の人々が、小さな部屋にさまざ

  • バズ・ワールドを肯定的に生きる: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 バズワードという言葉が意味をなさなくなるくらい、あらゆる言葉の意味が流動化して、日々どんどん意味を変えていくのがいまという時代なのかなと感じます。 そして、その不安定さは単に言葉の問題だけじゃありません。 モノや人や組織などの価値=意味も、バズワードのようにあるとき価値をもったものが次の瞬間には意味を失うという非常に不安定なうつろいがごく普通に起こっています。 その様は、もはやバズワードというよりバズ・ワールドと呼んだ方がよいでしょう。 休む暇もなく、終わりのない活動ができることをポジティブに捉える市場をリードしている商品やブランドがあっという間にコモディティ化してしまうのもそうした1つの例でしょう。 ヘンリー・チェスブロウが『オープン・サービス・イノベーション』の冒頭で、

  • 「途中」を開放することをサービスとして捉える: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 昨日ふと、「作らない」デザインどころではないのだな、と気づきました。 むしろ、僕らには「作れない」んだと思いました。 作らないデザインといったことをよく耳にするようになっていますが、むしろ、作れないと認識したほうが常識的な誤解から抜け出しやすいんじゃないかと、そんな風に思ったんです。 僕らがこれまで当たり前のように感じ享受していたはずの、完成品としての製品を作るということが社会的にもかつてほどは輝きを失いつつあるなかで、僕らは、たとえば「街づくり」といったような作れないものを作り続けるという場に立ちあうことが求められていることを各自がはっきりと自覚しなくてはいけないんだ、と。 閉じた系としての製品をデザインするのと、開かれた系である街やコミュニティをデザインするのは別「街」

  • 「完成品」より「未完成」であることが大事: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 僕自身も最近つくづく実感として感じますが、いまって、何か新しいものごとを創造する知的創造分野の仕事って、業界の違いや規模の違いが意味をなさず、あらゆる形のプレイヤーが競合するようになってきていますよね。 ほかにもそう感じている人はいないでしょうか? 大企業とベンチャーが競合するだけでなく、個人だって容易に企業組織に競合できるようになっていますし、大学のような教育機関や自治体やNPOだって競合する機会も増えてきているのを僕なんかは肌感として感じずにはいられません。 そうなる理由はカンタンに理解できます。 基的な方法論やノウハウの取得なら短期間・低コストで可能になってきているのが1つ。 それから、創造作業の大事な部分を担うプロトタイピングや開発のコストも昔とは比べられないほど

  • コンテンツ単位でライティングを考えるのって、顧客の体験価値全体を視野に入れずに製品つくるのと同じじゃない?: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 最初に、結論からいうと「コンテンツ単位でライティングを考えるのって、顧客の体験価値全体を視野に入れずに製品つくるのと同じじゃない?」なんてことを思いました。 そんな風に考えたのは、昨日、ロフトワークさんの主催の「ソーシャル時代のWebライティング」というイベントに出席させていただいたからです。 いやいや、そこでお話しされていた内容を否定することを考えたわけではないんです。 Web Professional編集長の中野克平さんとインフォバーンの成田幸久さんのお話はやっぱりプロの人は、ちゃんとオチとか構造とか読まれるための見出しとか、どうしたら読んでもらえるかということを考えて文章を作っているんだなと当たり前のことに感心しました。 翻って、自分が文章を書く際のことを思うと、お2

  • 不確実な時代に「未知」を「既知」へ変える方法としてのオープンさ: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 結果的にはあとで間違えてることが明らかになったとしても、最初に自分でそう感じたのなら、そう思ったことは決定的に正しいと思います。 ▲TRANS ARTS TOKYO展より だから、最初から間違えてるんじゃないかと怯える必要はまったくありません。どんどん自分が思ったことをいろんな人にぶつけてみればいいと思います。 けれど、それと同時に大事なのは、あとで自分が思ったことが間違いだと気づかされたら、すぐにその間違いを認めること。そういう謙虚さがあれば、間違えることを過剰に気にせず、自分のアイデアや感じたことを他人と共有することができるようになると思うんです。 スタートアップの勝ち組は自分たちのビジョンが「顧客の証明」のない仮説にすぎないとわかっているでも、残念ながら、多くの人はた

  • 創造性を資源として価値を生むことを重視する社会にしていくには…: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 創造性を資源として価値を生むことを重視する社会にしていくにはどうすればよいのでしょうか? 物質的な資源を加工して価値を高めるこれまでの社会における知恵の使い方ではなく、知恵そのものを資源に価値あるものを創造することで経済面でも文化面でも豊かな社会をつくっていくためには自分はこれからどんな活動をしていけばよいだろうか? 最近はそんなことを考えています(そんなことを考えるのは、ここでそんな話をしたいと思っているからですが)。 そして、そんな社会にするために何より必要なことは、知識や情報というものをモノと同じように私有しようとすることをできる限りやめて、知識や情報は社会の共有資産としてオープンにシェアし、人びとが知恵を使って創造性を発揮する活動をどんどんしていけるようなそんな環境

  • 「電子書籍」という概念を越えてテクストの新しい形を模索すること: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 最近、会社のほうで進めているプロジェクト「Think Social」では、デザインシンキングのアプローチを用いて行なうサービスデザインをテーマとして扱っていますが、その一方で、やはり個人的な関心としては、人間の知の在り方や価値観を左右する人工物全般としてのメディアに強い関心があります。 例えば、電子書籍的なものもその一部。 ただし、世間的には、講談社が今後の書籍の刊行を紙と電子版を同時に行なうという方針を発表したニュースが取りざたされたり、『WIRED』創刊時の編集長ケヴィン・ケリーがインタビューで「10年後には「」そのものは基的にすべて無料になる」というようなことを言ったりするなど、相変わらず電子書籍の話題には事欠かないのですが、僕自身はどうもこの電子書籍関連の話題に

  • 芹沢銈介の文字絵・讃/杉浦康平: DESIGN IT! w/LOVE

    芹沢銈介さんは、日民藝運動にも参加した染色作家で、型絵染(布の代わりに紙を型紙で染めたもの)の人間国宝にもなっている人です。その芹沢さんの作品には文字を主題にした作品も多い。 例えば、下は「山」という文字を主題にした2つののれん作品。 藍色ののれんに染めだされた山文字には木が生え、雲がたなびいています。 雲は雨を降らし、木々などの植物を育てます。それが山という文字を主題とした絵のなかに端的に表現されている。 こうした芹沢さんの文字絵作品の魅力を語ってくれるのは、20年以上にわたりアジアの人びとが生み出した造形美に着目し、さまざまな形(例えば、前に紹介した『宇宙を叩く―火焔太鼓・曼荼羅・アジアの響き』など)で紹介してくれている杉浦康平さん。 杉浦さんには、昨年末に出版された『文字の美・文字の力』というもありますが、書 『芹沢銈介の文字絵・讃』でも芹沢銈介さんののれんや屏風、ときには着物

  • 伊勢神宮:2 20年周期の式年遷宮にみる4次元デザイン: DESIGN IT! w/LOVE

    不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 「伊勢神宮:1 2000年の歴史をもつ神の居る場所」の続きです。 今回はいよいよ皇祖神・天照大御神の祭られた皇大神宮(内宮)の紹介です。 皇大神宮(内宮)五十鈴川にかかる宇治橋をわたると、そこは内宮とも呼ばれる皇大神宮の御鎮座地です。 最初の鳥居をくぐると、すぐに杜にはいる形の外宮と違い、内宮では杜に入るまでに神苑と呼ばれる庭があります。 神苑の雰囲気は皇居などと似た印象で、この時点ではまだ神々しいイメージは皆無です。 神苑を突っ切ってまっすぐ伸びる道を歩いていくと、五十鈴川の天然の手洗場にたどりつきます。 昔はそこで手や口だけでなく、身体を清めてから参拝したそうです。 そこから外宮と同じように杜の中へと入っていきます。 すぐに神楽殿(写真左、中)が見えてくるのと同時に、外

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