イカたちが敵味方に分かれてインクを撃ち合うWii Uの『Splatoon(スプラトゥーン)』は、ゲームの終盤になると画面の大半がインクだらけになってしまいます。なので、ある意味「主人公はインク」とも言えるゲームです。 入社してからずっとエフェクト(映像効果)を担当してきた私は、『Splatoon』のインク全般を担当することになったのですが、インクが主役なだけに「ヘタなものは作れないぞ」という覚悟で臨むことになりました。 インクの表現で、私が最も試行錯誤を繰り返したことのひとつは、ブキで撃ったときのインクの見えかたです。ブキを横に振りながら撃つと、槍のような形をしたインクが断続的に飛んでいるように見えて、周りの人たちは「これでいいよ」とは言ってくれたものの、自分ではどうも納得しきれませんでした。もっとよりよく見える方法がないかと、デザイナーという仕事柄、もう一歩踏み込みたいと考えたのです。