筆者が最近何人かで話をしていた時、会話に参加していた人は皆、欧州の新しい財政協定は全く馬鹿げた代物だという見方に賛成しているようだった。 すると、かつて政策立案者だったある人物がその会話を聞きつけて筆者たちの方を向き、原則的にはその通りだと思うと語った。しかし、もし新条約が欧州中央銀行(ECB)により柔軟な姿勢を取るよう促すのであれば、やってみる価値はあるかもしれないと付け加えた。 筆者はその後、ある中央銀行幹部と話をした。この人物も財政条約には意味がないとの見方に賛成してくれたが、それでも条約を支持するという。金融市場へのシグナルの役目を果たすというのがその理由だった。 さらに、よく接触する数人の金融市場関係者と話をしたら、あの条約は全く馬鹿げているという答えが返ってきた。 新条約については、どれほど好意的に表現しても「必要ではない」としか言えないだろう。条約の最終版に盛り込まれそうな内