同書は2012年に刊行された「もじのみほん」の増補改訂版。文字の特徴がもっともあらわれるひらがなとカタカナを手がかりに、知りたいフォントをすぐに探せる見本帳になっている。使用頻度の高いフォント約300種を収めた旧版から、本書ではさらに約250種の書体を追加。マンガのセリフで一般的に見られる「アンチック体」の各社比較ページも用意されている。好きな作品にどのフォントが使用されているか、この本を片手に調べてみるのも一興と言えよう。 なおあらゐは、海外の有名フォント「Helvetica」に由来した作品「Helvetica Standard」を発表しており、デビュー前に印刷所で写植を打つ仕事をしていたことも明かしている。フォント本との相性は抜群の作家だ。