先祖の食生活と、今食べるべき食について考えさせる本。 「伝統的地中海食」は世界を代表する健康食とされる。この原型が残るギリシャのクレタ島には、2万5000年前から栽培が続いているブドウ畑があるそうだ。そして、基本的な食事は、カロリーの約60%を果物、葉野菜、ナッツ、根菜からとり、脂肪の約80%はオリーブオイルから得るというもの。これは、なんと4000年間、変わっていないという――。 このようなクレタの伝統食を“再発見”したのは、米国人研究者たちだ。それも、今から60年近くも前。しかし、このような優れた研究がありながら、米国はファストフード文化に突進し、自国民だけでなく世界の人々を肥満させつつある。 米国50番目の州、誰もが幸せな気分になるヘルシーなハワイ。ところが、主食のタロイモを手放した、ここの先住民の心臓病罹患率は米国平均の2倍、糖尿病は7倍だという。 同じような悲惨な健康状態