展示されているのはわずかに3点。フランスの画家ギュスターヴ・クールベによる一枚の風景画《狩猟者のいる風景》と、ドイツの現代画家ゲルハルト・リヒターの風景画《シルス・マリア》(882-1)、及び彼の代表シリーズである「抽象絵画」から《抽象絵画(ラヴィーン)》だ。常設展示の片隅にひっそりとあつらえられた小さな空間で、美術館には場違いなほど親密な空気感をたたえて並べてある。 リヒターとクールベという組み合わせは、意味深長なようでも、単にミスマッチなようでもある。半世紀以上にわたって絵画の(不)可能性に直面し続けてきたリヒターの前に任意の大画家を置けば、誰であれ意味ありげな緊張関係が生じるだろう。しかし、この展覧会の発想は単純だ。リヒターの自宅のダイニング・ルームにはクールベの風景画が、その隣の部屋には《シルス・マリア》がかけられているという。つまり本展は、国立西洋美術館収蔵のクールベを用いて、リ
![特別展示「リヒター/クールベ」 国立西洋美術館 本館2階常設展示室バルコニー 2018.6.19-2019.1.20 | RealTokyo -CULTURE REVIEW SITE-](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5673a3418676e36971004d18820a3ffe8a031aad/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Frealtokyo.co.jp%2F_sys2024%2Fwp-content%2Fuploads%2F2018%2F11%2Fa1628a94640df22fc70f08a3579b79b6.jpg)