核を即時に捨てなければ経済が持たない 史上初の首脳会談開催に向けて、米朝両国が積み重ねてきた秘密の予備交渉が大詰めを迎えている。労使の賃上げ交渉に例えれば、100円玉1個をめぐる土壇場の攻防が水面下で繰り広げられている。 本稿執筆の5月9日時点では、米朝首脳会談の日時と場所はまだ正式発表がない。発表された時点で、会談の成功は約束されたのも同然だ。北朝鮮は間違いなく「核放棄」に応じる。 大方の専門家とメディアはこれまで「絶対に放棄しない」と断じてきた。幸いにも、この懐疑論は外れる。 同じく、北朝鮮が非核化の過程で「時間稼ぎ」を繰り広げると予測する悲観論も外れる。 原子炉の廃炉と化学兵器の廃棄を含めれば、技術的に10~20年を優に超す長い時間が要る。しかし、問題の核心である軍事的脅威の除去作業はずっと簡単だ。北朝鮮は保有する全ての核弾頭を早期にアメリカへ引き渡すだろう。 懐疑論の欠点は単純だ。