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ブックマーク / eetimes.itmedia.co.jp (28)

  • 東京大学ら、反強磁性型の励起子絶縁体を発見

    東京大学は、ブルックヘブン国立研究所などの研究グループと共同で、スピン三重項の励起子が生み出す反強磁性励起子絶縁体について、イリジウム酸化物を用いた実験により、その存在を明らかにした。 反強磁性励起子絶縁体の特定でカギを握る「縦モード」の検出 東京大学理学系研究科の諏訪秀麿助教は2022年2月、ブルックヘブン国立研究所、ポールシェラー研究所、テネシー大学、アルゴンヌ国立研究所、オークリッジ国立研究所、中国科学院、上海科技大学の研究グループと共同で、スピン三重項の励起子が生み出す反強磁性励起子絶縁体について、イリジウム酸化物(Sr3Ir2O7)を用いた実験により、その存在を明らかにしたと発表した。 電子と正孔(ホール)の結合状態である励起子が、ボーズ・アインシュタイン凝縮を起こすと「励起子絶縁体」と呼ばれる状態となる。この現象は古くから理論的に予言されていたが、実際の物質でスピン三重項の励起

    東京大学ら、反強磁性型の励起子絶縁体を発見
  • 東京工大、電源不要のミリ波帯5G無線機を開発

    東京工業大学は、無線電力伝送で生成される電力で動作させることができる、「ミリ波帯5G中継無線機」を開発した。電源が不要となるため基地局の設置も容易となり、ミリ波帯5Gのサービスエリア拡大につながるとみられている。 1素子当たり30μWでビームフォーミングを実現 東京工業大学工学院電気電子系の白根篤史助教と岡田健一教授は2021年6月、無線電力伝送で生成される電力で動作させることができる、「ミリ波帯5G中継無線機」を開発したと発表した。電源が不要となるため基地局の設置も比較的容易となり、ミリ波帯5Gのサービスエリア拡大につながるとみられている。 開発したミリ波帯5G中継無線機は、28GHz帯の5G無線通信と同時に、ISMバンドの24GHz帯を使って無線電力伝送を行い、無線通信に必要な電力を供給することができる。具体的な動作はこうだ。壁などに設置したミリ波帯5G中継無線機が無線通信信号を受信す

    東京工大、電源不要のミリ波帯5G無線機を開発
  • 東京大ら、高感度有機半導体ひずみセンサーを開発

    東京大学とパイクリスタルの共同研究グループは、大面積で高性能有機半導体単結晶ウエハーの表面上に、二次元電子系を選択的に形成することができるドーピング手法を新たに開発。この手法を用い、感度が従来の約10倍という「有機半導体ひずみセンサー」を実現した。 有機半導体単結晶薄膜をドーパント溶液に浸すだけ 東京大学大学院新領域創成科学研究科の渡邉峻一郎准教授らとパイクリスタルの共同研究グループは2020年12月、大面積で高性能有機半導体単結晶ウエハーの表面上に、二次元電子系を選択的に形成することができるドーピング手法を新たに開発したと発表した。この手法を用い、感度が従来の約10倍という「有機半導体ひずみセンサー」を実現した。 研究グループはこれまで、独自構造の有機半導体と印刷技術を組み合わせて、大面積の有機半導体分子からなる単結晶薄膜の大規模製造を可能にしてきた。移動度も10cm2/Vs以上を達成し

    東京大ら、高感度有機半導体ひずみセンサーを開発
  • 量子もつれ ~アインシュタインも「不気味」と言い放った怪現象

    量子もつれ ~アインシュタインも「不気味」と言い放った怪現象:踊るバズワード ~Behind the Buzzword(5)量子コンピュータ(5)(1/9 ページ) 今回は、私を発狂寸前にまで追い込んだ、驚愕動転の量子現象「量子もつれ」についてお話したいと思います。かのアインシュタインも「不気味」だと言い放ったという、この量子もつれ。正直言って「気持ち悪い」です。後半は、2ビット量子ゲートの作り方と、CNOTゲートを取り上げ、HゲートとCNOTゲートによる量子もつれの作り方を説明します。 「業界のトレンド」といわれる技術の名称は、“バズワード”になることが少なくありません。“M2M”“ユビキタス”“Web2.0”、そして“AI”。理解不能な技術が登場すると、それに“もっともらしい名前”を付けて分かったフリをするのです。このように作られた名前に世界は踊り、私たち技術者を翻弄した揚げ句、最後は

    量子もつれ ~アインシュタインも「不気味」と言い放った怪現象
    nagaichi
    nagaichi 2020/09/01
    滅茶苦茶砕いた説明だが、文系概念脳が理解しようとすると、だいたいこんがらかるよな。理系に言わせると数式のほうが分かりやすいらしいのだが、数式アレルギーが理解を阻むのさ。
  • 東京大学ら、「ワイル磁性体」を初めて発見

    東京大学物性研究所の黒田健太助教らによる研究グループは、反強磁性体マンガン化合物の内部で、「磁気ワイル粒子」を世界で初めて発見した。 外部磁場による制御で磁気ワイル粒子を自在に操作 東京大学物性研究所の黒田健太助教や冨田崇弘研究員、近藤猛准教授、中辻知教授を中心とする研究グループは2017年9月、理化学研究所創発物性科学研究センターの有田亮太郎チームリーダーらの協力を得て、反強磁性体マンガン化合物(Mn3Sn)内部で、「磁気ワイル粒子」を世界で初めて発見したと発表した。これにより、Mn3Snがワイル粒子と磁性を併せ持つ「ワイル磁性体」であることが初めて実証された。 ワイル粒子は質量がゼロの粒子である。2015年に固体の非磁性体物質であるヒ素化タンタル(TaAs)の中で、その存在が発見されたという。今回発見したワイル粒子は、これまでとは発現機構が全く異なるもので、物質の磁性によって創出される

    東京大学ら、「ワイル磁性体」を初めて発見
  • 究極の大規模汎用量子コンピュータ実現法を発明

    1つの量子テレポーテション回路を繰り返し利用 東京大学工学系研究科教授の古澤明氏と同助教の武田俊太郎氏は2017年9月22日、大規模な汎用量子コンピュータを実現する方法として、1つの量子テレポーテーション回路を無制限に繰り返し利用するループ構造の光回路を用いる方式を発明したと発表した。これまで量子コンピュータの大規模化には多くの技術課題があったが、発明した方式は、量子計算の基単位である量子テレポーテーション回路を1つしか使用しない最小規模の回路構成であり、「究極の大規模量子コンピュータ実現法」(古澤氏)とする。 今回発明した光量子コンピュータ方式。一列に連なった多数の光パルスが1ブロックの量子テレポーテーション回路を何度もループする構造となっている。ループ内で光パルスを周回させておき、1個の量子テレポーテーション回路の機能を切り替えながら繰り返し用いることで計算が実行できる 出典:東京大

    究極の大規模汎用量子コンピュータ実現法を発明
  • AIで複数の同時音声を分離、再現率は驚異の90%

    三菱電機は研究成果披露会で、同社独自のAI技術「ディープクラスタリング」を用いた音声分離技術を発表した。この技術では、マイク1で録音した複数話者の同時音声を分離し、きれいに再現できる。従来の技術では原音再現率が51%だったが、三菱電機の音声分離技術の場合90%以上となる。 答えではなく、解き方を学ぶ スマートフォンやカーナビなどの音声認識機能は、雑音や複数の人の声が混じると正しく機能しないことが多い。音を聞き分けて再現する技術自体は既に存在するが、精度の面でまだ十分とはいえない。マイク1で取得した音声を分離し再現する技術の場合は特にだ。 三菱電機が同社独自のAI技術「ディープクラスタリング」を用い、音声分離技術を開発したのにはこのような背景がある。三菱電機は2017年5月24日の研究成果発表会で、マイク1で録音した複数話者の同時音声を分離し、きれいに再現する様子を披露した。 ディープ

    AIで複数の同時音声を分離、再現率は驚異の90%
    nagaichi
    nagaichi 2017/05/31
  • 理研、深紫外LEDの効率を従来比5倍に向上

    理化学研究所(理研)は、殺菌用深紫外LEDの効率を、従来に比べて約5倍に高めることに成功した。殺菌灯に用いられている現行の低圧水銀ランプに迫る効率となる。 殺菌や浄水、医療向け携帯紫外LEDランプに期待 理化学研究所(理研)は2017年2月、殺菌用深紫外LEDの効率を従来に比べて約5倍に高めることに成功したと発表した。殺菌灯として用いられている現行の低圧水銀ランプに迫る効率となる。 今回の研究は、理研の産業連携部イノベーション推進センター高効率紫外線LED研究チームの椿健治チームリーダーや高野隆好研究員、美濃卓哉研究員、阪井淳研究員、野口憲路研究員、及び平山量子光素子研究室の平山秀樹主任研究員らが共同で行った。 深紫外LEDは発光波長が200~350nmで、殺菌や浄水、空気清浄、さらには樹脂硬化、印刷などの用途において、その応用が期待されている。しかし、これまでの深紫外LEDは光取り出し

    理研、深紫外LEDの効率を従来比5倍に向上
  • 量子メモリへの書き込み/読み出し、光通信で成功

    大阪大学、情報通信研究機構(NICT)などの研究グループは2016年11月、光通信技術を利用した量子メモリへの書き込み/読み出しに「世界で初めて成功した」と発表した。 大阪大学、NICTなどの研究グループ 大阪大学、情報通信研究機構(NICT)などの研究グループ*)は2016年11月17日、光通信技術を利用した量子メモリへの書き込み、読み出しを実現することに成功したと発表した。阪大などによると「世界で初めての成功」という。 *)研究グループは、大阪大学大学院基礎工学研究科教授 井元信之氏、NTT物性科学基礎研究所主任研究員 向井哲哉氏、NICT未来ICT研究所主任研究員 三木茂人氏、東京大学大学院工学系研究科教授 小芦雅斗氏で構成。 現在、長距離量子情報通信システムは、各中継地点に分散した量子メモリの量子状態を光通信を使って交換するアーキテクチャが考えられている。そのため、量子情報通信にお

    量子メモリへの書き込み/読み出し、光通信で成功
  • 2000ノードの組合せ最適化問題、解探索に成功

    NTTの武居弘樹氏らによる研究グループは、従来のコンピュータでは効率よく解けなかった「組み合わせ最適化問題」を、高速に求めることができる「量子ニューラルネットワーク」を開発した。 光を用いて難問を解く、新たな量子計算原理を実現 NTT物性科学基礎研究所量子光制御研究グループで主幹研究員を務める武居弘樹氏らによる研究グループは2016年10月、従来のコンピュータでは効率よく解けなかった「組み合わせ最適化問題」を、高速に求めることができる「量子ニューラルネットワーク」(QNN:Quantum Neural Network)を開発したと発表した。 今回の研究成果は武居氏の他、NTT物性科学基礎研究所量子光制御研究グループの稲垣卓弘研究員、国立情報学研究所(NII)情報学プリンシプル研究系の宇都宮聖子准教授、Peter McMahon研究員らの研究グループによるものである。 組合せ最適化問題とは、

    2000ノードの組合せ最適化問題、解探索に成功
  • 太陽電池、これまで10年これから10年(中編)

    燃料を必要としない発電技術として、太陽電池に期待が掛かっている。火力発電を置き換えるという目標達成も見えてきた。発展途上国では発電所の増設時に、石炭火力と並ぶ選択肢となった。今回はインドとドイツの現状から、太陽電池の今を伝える。 発電量世界第3位の国で、電気が足りない(図1)。年間発電量が年間需要に対して3.6%不足……。これは東日大震災に見舞われた日の話ではない。2013年時点のインドの状況だ。 インドの実質経済成長率は2014年時点で年7.4%と高い。1990年代から高い経済成長が続いてきたものの、依然、1人当たり国民総所得は日の30分の1という水準にある。インド政府は今後も経済成長率を維持しようと努力している。 足を引っ張るのは電力不足だ。電力需要の増加のペースに発電所の増設が追い付いていない。政府は計画的に石炭火力発電所を立ち上げているものの、大都市部でも停電が頻発し、無電化

    太陽電池、これまで10年これから10年(中編)
  • 炭素繊維の量産加速へ、新たな製造技術を開発

    新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や東京大学ら7つのメーカーおよび研究機関が、炭素繊維の新しい製造技術を開発した。従来の方法に比べて、単位時間当たりの生産量が10倍に向上するという。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年1月14日、炭素繊維の新しい製造技術を開発したと発表した。NEDOの材料開発プロジェクト「革新的新構造材料等研究開発*)」の一環として、NEDOと東京大学、産業技術総合研究所(産総研)、東レ、帝人、帝人の子会社である東邦テナックス、三菱レイヨンが共同で開発したもの。従来の方法に比べて生産性を10倍向上するだけでなく、製造する際に必要なエネルギーと、発生するCO2排出量が半減するという。 *)自動車の重量を半減することを目標に、素材開発および接合技術開発を進めるプロジェクトである。ただし、今回開発した製造技術で生産した炭素繊維は、自動車だけで

    炭素繊維の量産加速へ、新たな製造技術を開発
  • 磁性絶縁体中の磁壁が示す金属的性質を観測

    理化学研究所(理研)の藤岡淳客員研究員らの研究グループは、走査型マイクロ波インピーダンス顕微鏡を用いて、絶縁性の高い磁性体(磁性絶縁体)中の磁壁が金属的性質を持つことを実験により観測することに成功した。 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター強相関界面研究グループの藤岡淳客員研究員らの研究グループは2015年10月、走査型マイクロ波インピーダンス顕微鏡を用いて、絶縁性の高い磁性体(磁性絶縁体)中の磁壁が金属的性質を持つことを実験により観測することに成功したと発表した。今回の成果は、磁場や温度で制御可能な新しい磁気メモリの実現につながるものと期待されている。 今回の研究は、藤岡氏の他、上田健太郎研修生、創発物性科学研究センターの十倉好紀センター長、米国スタンフォード大学のジーシュン シェン教授らの国際共同研究グループが行った。 国際共同研究グループは、パイロクロア型イリジウム酸化物「ネ

    磁性絶縁体中の磁壁が示す金属的性質を観測
  • 燃料電池の白金使用量を減らす新素材

    東京工業大学の山元公寿教授らは、19個の原子で構成される白金粒子が、現行の燃料電池に採用されている白金担持カーボン触媒に比べて20倍の触媒活性を示すことを発見した。燃料電池に使用する白金の量を大幅に削減することができるため、燃料電池のコストダウンにつながる可能性が高い。 東京工業大学(東工大) 資源化学研究所の山元公寿教授と今岡享稔准教授らは2015年7月、19個の原子で構成される白金粒子(Pt19)が、現行の燃料電池に採用されている白金担持カーボン触媒に比べて20倍の触媒活性を示すことを発見したと発表した。この技術により、燃料電池に使用する白金の量を大幅に削減することができるため、燃料電池のコストダウンにつながる可能性が高い。 東工大の山元教授らは、「デンドリマー」と呼ばれる精密樹状高分子を用いた原子数が規定できる超精密ナノ粒子合成法を活用し、白金ナノ粒子の原子数を12から20個の範囲で

    燃料電池の白金使用量を減らす新素材
  • 量子メモリ不要の長距離量子通信を可能にする量子中継手法を確立

    量子メモリ不要の長距離量子通信を可能にする量子中継手法を確立:量子コンピュータへの確実なマイルストーン(1/3 ページ) NTTとトロント大学は2015年4月15日、通信距離100kmを超えるような長距離量子通信に必要な量子中継を、物質量子メモリを使用せずに、光の送受信装置だけで実現できる「全光量子中継方式」を理論的に確立したと発表した。 光デバイスだけの全光量子中継 NTTとトロント大学は2015年4月15日、通信距離100kmを超えるような長距離量子通信に必要な量子中継を、物質量子メモリを使用せずに、光の送受信装置だけで実現できる「全光量子中継方式」を理論的に確立したと発表した。物質量子メモリが不可欠とされた従来の定説を覆し、既に原理検証済みの光デバイスのみで量子中継が行える理論で、長距離量子通信の実現だけでなく「全光量子中継に必要となる光デバイスの発展の先に存在する量子コンピュータへ

    量子メモリ不要の長距離量子通信を可能にする量子中継手法を確立
  • 台湾の干ばつが深刻化――半導体業界も水の確保に追われる

    台湾が深刻な水不足に襲われている。政府による給水制限が厳しくなる中、TSMCやUMCは、工場に水を配送する体制を整えている。 世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCをはじめとする台湾の半導体メーカー数社は、水不足がさらに深刻化した場合に備えて、工場に水を配送する体制を整えているという。 TSMCは、AppleやQualcomm、NVIDIA、MediaTekなど主要なエレクトロニクス企業に半導体を提供している。政府が給水制限を強化した場合、TSMCは新竹(Hsinchu)と台中(Taichung)、台南(Tainan)にある工場の稼働を維持するために、3トントラック180台を使って水を配送する計画だという。 TSMCの広報担当ディレクタを務めるElizabeth Sun氏は2015年4月10日(台湾時間)、EE Timesに対して、「われわれは、政府の決定に応じるしかない。政府がTSM

    台湾の干ばつが深刻化――半導体業界も水の確保に追われる
  • 量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道

    量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道:アインシュタイン提唱の「物理学の100年論争」が決着!(1/3 ページ) 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月24日、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。なお、この研究成果は、英国の科学雑誌「Nature Communications」(2015年3月24日[現地時間]オン

    量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道
  • 細胞の“ゆらぎ”を利用すれば超省エネマシンができる!? ――CiNetの研究開発

    細胞の“ゆらぎ”を利用すれば超省エネマシンができる!? ――CiNetの研究開発:新技術(1/2 ページ) 生体が超省エネで活動できる理由は、細胞の“ゆらぎ”にあるという。ゆらぎを応用すれば、非常に低い消費電力で稼働するシステムを実現できるかもしれない。脳情報通信融合研究センター(CiNet)の柳田敏雄氏が、「NICTオープンハウス2014」の特別講演で語った。 生体は、複雑な仕組みを持ちながら、“超省エネ”で非常に効率のよい活動を行うことができる。 脳情報通信融合研究センター(CiNet:Center for Information and Neural Networks)は、生体が持つこのような特性を情報通信などに応用する研究を行っている。CiNetのセンター長を務める柳田敏雄氏は、情報通信研究機構(NICT)が研究開発の成果を展示する「NICTオープンハウス2014」(2014年11

    細胞の“ゆらぎ”を利用すれば超省エネマシンができる!? ――CiNetの研究開発
  • 量子情報処理の実用化に道筋、東大が室温で単一光子発生に成功

    東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦教授らは、位置制御されたGaN(窒化ガリウム)系ナノワイヤ量子ドットを用いて、300K(27℃)の室温で単一光子の発生に成功した。今回の開発成果は、量子暗号通信や量子コンピュータなど、量子情報処理システムの実用化に向けた研究に弾みをつける可能性が高い。 東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦教授、マーク・ホームズ特任研究員らは2014年2月12日、位置制御されたGaN(窒化ガリウム)系ナノワイヤ量子ドットを用いて、300K(27℃)の室温で単一光子の発生に成功したと発表した。今回の開発成果は、量子暗号通信や量子コンピュータなど、量子情報処理システムの実用化に向けた研究に弾みを付ける可能性が高い。荒川氏は、「位置制御されたGaN系量子ドットを用いて、室温で単一光子の発生に成功したのは世界でも初めて」と話す。研究成果の論

    量子情報処理の実用化に道筋、東大が室温で単一光子発生に成功
  • 量子コンピュータ実現に向けさらに前進――量子エラー訂正に成功

    筑波大学と日原子力研究開発機構(JAEA)は、ドイツの研究チームとの共同研究により、ダイヤモンドを用いて室温で固体量子ビットの量子エラー訂正に「世界で初めて成功した」と発表した。 筑波大学と日原子力研究開発機構(JAEA)量子ビーム応用研究部門 半導体耐放射線性研究グループは2014年1月30日、ドイツとの共同研究により、ダイヤモンドを用いて室温で固体量子ビットの量子エラー訂正に「世界で初めて成功した」と発表した。量子エラー訂正は量子コンピュータの実現に不可欠とされ、今回の研究成果について、筑波大学などは「大きなブレークスルー」とする。なお、2013年11月には東京大学の古澤明教授らが大規模量子もつれ*1)の作成に成功したと発表するなど、量子コンピュータ実現に向けた日発の開発成果の発表が続いている(関連記事:量子コンピュータ実現に向け大きな前進――超大規模量子もつれの作成に成功)。

    量子コンピュータ実現に向けさらに前進――量子エラー訂正に成功