フォトジャーナリスト・嘉納愛夏が歩いた戦場「そこに、あなたがいた」 夏のパレスチナで出会った兵士、実業家、少女 中東へよく行っていた頃、友人知人からよく「いったい何を食べてるの?」と聞かれた。紛争地であってもその地域が戦場になっていなければ、人は普通に暮らし、職場へも出かける。食事だって同じだ。日本にいてそのような状態が想像できないのだろうが、人がいれば店はあるし、ジャーナリスト目当てにレストランを開ける店主も少なくない。時には自炊もし、意外かもしれないがきわめて普通のものを食べていた。第2次インティファーダがアラファト解放でクライマックスを迎えたかに見えた2002年。その夏に私はパレスチナを歩いた。真夏の中東を歩く。クレージーだが、計画立案したのは当時エルサレム近郊に住んでいた日本山妙法寺の僧侶、堀越行清さんだ。行清、というのは言ってみれば坊さんネームで本名は違う。清い行いという名前に反