「必要な作業をもれなく洗い出し、課題やリスクを関係者で共有し、基本動作をしつこく繰り返す」。トヨタ自動車のIT部門(コーポレートIT部)で開発支援業務を手がける加納栄寿氏は、失敗プロジェクトの回避に向けた基本をこう語った。プロジェクトマネジメントのコンサルティングを手がけるアイ・ティ・イノベーションが12月6日に開催したイベントでの発言である。 トヨタ自動車では小規模のものも合わせると、年間約100のシステム構築プロジェクトが同時並行で進行しているという。「どの会社でも事情は同じかと思うが、すべてのプロジェクトが計画通りに進んでいるかというと、そうではない」(加納氏)。 そこでトヨタ自動車ではプロジェクトの品質を高めるべく、いくつかの施策を打っている。近年トヨタ自動車が実施した主な施策は、次の三つ。 (1)「構想検討ガイド」の作成(2005年5月に展開を開始) (2)「共通フレームワーク・