遠隔地でサイクリングをしようと思ったとき、自転車の輸送手段としてはいくつかある。クルマがあれば積んでいく。電車なら布製の輪行袋。飛行機ならバイクケース。船はそのまま積めたりすることもある。でも一番ラクなのは段ボール箱などを使って宅配してしまうことだ。 シマノの機能路線を強引にけん引した三代目社長、島野敬三さんが1980年代になって中国の女性が化粧をし始めたのを見たとき、「こら戻らんで」と断言した。中国女性の多くが化粧を楽しむ自由な時代の到来を見抜いたのである。 ◆一過性の流行か、根付くか…「戻るか戻らないか」 敬三さんが新しい商品をつくる際には、「これ、元のヤツに戻るんか」と常に口にした。一時の流行で終わってしまうものは掃いて捨てるほどある。自動車のオートマチックのようにあと戻りしなければ、それがスタンダードとなっていく。 「戻らへんヤツは世界的に浸透していくはずや」という敬三さんの言葉が