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ブックマーク / book.asahi.com (11)

  • GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日

    「ウォー・ギルト・(インフォメーション・)プログラム」という言葉が保守論壇で流行している。第2次世界大戦後の占領軍の計画で、日人は洗脳され、自虐史観に塗り替えられたというのだ。その全体像を膨大な史料から探った著作が公刊された。当に日人は洗脳されたのか。研究の結果から著者は「洗脳されたとは思えない」という。 「体系的な施策ではなかった」 著作は『ウォー・ギルト・プログラム――GHQ情報教育政策の実像』(法政大学出版局)。著者は賀茂道子・名城大学非常勤講師(日政治外交史)だ。 この言葉は、文芸評論家の故・江藤淳氏が1989年の『閉(とざ)された言語空間』(現在は文春文庫)で紹介した。GHQ(連合国軍総司令部)の文書から見つけた江藤氏は、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と表記した。現在の保守論壇はWGIPと略す。 ◇ 代表的な施策が二つあったとされる。GHQの一部門CI

    GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日
    namawakari
    namawakari 2020/06/08
    “江藤さんがご覧になった文書は後半の途中で、日本人に東条英機賛美の動きが出たため、『新たな施策を行うべきだ』という勧告でした。しかし、提案された施策の大半は実行されなかった。”
  • 「ドラえもん論」杉田俊介さんインタビュー 歴代作品から読み解く、のび太の「弱さ」が愛される理由|好書好日

    文:若林良、写真:斉藤順子 杉田俊介(すぎた・しゅんすけ)批評家 1975年生まれ。神奈川県出身。労働問題やサブカルチャーについての論考を数多く執筆。著書に『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)、『宮崎駿論 神々と子どもたちの物語』(NHK出版)、『ジョジョ論』(作品社)など。2019年、ヘイト問題を考える雑誌『対抗言論』(法政大学出版局)を創刊。 とにかく怖かった「のび太の海底鬼岩城」 ――杉田さんと「ドラえもん」の出会いはいつ頃でしたか。 小学校3年生に上がる頃、映画4作目の「のび太の海底鬼岩城」を見たことが大きいですね。それ以前もテレビで見てはいましたけど、映画のインパクトがとにかく強かったんです。 ――どのような感想を抱かれたのでしょうか。 怖かった。その一言です。テレビで見る「ドラえもん」とは全然違うテイストでした。スネ夫とジャイアンが海底で、テキオー灯(どのような世

    「ドラえもん論」杉田俊介さんインタビュー 歴代作品から読み解く、のび太の「弱さ」が愛される理由|好書好日
    namawakari
    namawakari 2020/03/20
    “ドラミちゃんの方が性格もいいし、ふたりの間には身もふたもない格差がある。でもやっぱり、のび太にとってはドラえもんの方がいい。考えてみると、これは驚くべきことですよ”
  • 「急に具合が悪くなる」磯野真穂さんインタビュー 早世の哲学者・宮野真生子さんと全力投球で交わした末期の日々の言葉|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 磯野真穂(いその・まほ)国際医療福祉大学大学院准教授 1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。オレゴン州立大学応用人類学研究科修士課程修了後、2010年、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、医療人類学。著書に『なぜふつうにべられないのか――拒と過文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――「いのちの守り人」の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマー新書)などがある。 「急に具合が悪くなる可能性がある」 ――お二人が出会ったきっかけを教えてください。 2018年の9月15日に在野研究者の逆卷しとねさんが福岡で開いている「文芸共和国の会」のシンポジウムに呼ばれたのがきっかけでした。終わってすぐにお客さんとして来ていた宮野さんから「科学研究費(助成事業)の申

    「急に具合が悪くなる」磯野真穂さんインタビュー 早世の哲学者・宮野真生子さんと全力投球で交わした末期の日々の言葉|好書好日
  • 國分功一郎さんインタビュー『原子力時代における哲学』に書かれた本質的な危機 |じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 文:海老原由紀 写真:家老芳美 國分功一郎(こくぶん・こういちろう) 1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京工業大学教授。専攻は哲学。著書に『スピノザの方法』『ドゥルーズの哲学原理』『来たるべき民主主義』『近代政治哲学』『暇と退屈の倫理学 増補新版』『中動態の世界』など。『暇と退屈の倫理学』で第2回紀伊國屋じんぶん大賞、『中動態の世界』で第16回小林秀雄賞を受賞。 「核の平和利用」で一変する ――福島の原発事故では「安全神話」が幻想で、日という国の底が抜けていたことが明らかになりました。事故から8年経った今年、東京電力の旧経営陣が刑事責任を問われた裁判では無罪が言い渡され、関西電力の経営幹部たちが原発を誘致する自治体の元幹部から多額の金品を受けとっていたこともわかりました。不謹慎な言い方かもしれませんが、出版のタイミ

    國分功一郎さんインタビュー『原子力時代における哲学』に書かれた本質的な危機 |じんぶん堂
  • 「私の1960年代」書評 沈黙を破り東大闘争を回顧|好書好日

    私の1960年代 [著]山義隆 1968年を頂点とする大学闘争とは一体何だったのか。この問いに対する十分な答えは、いまだに得られていない。最大の原因は、闘争の中心人物が長らく沈黙を保ってきたことにあろう。 書は、東大全共闘の代表であった山義隆が、ついに沈黙を破り、60年安保闘争から69年の逮捕を経て予備校教師となるまでの歩みを振り返ったものである。著者は東大で物理学を専攻して大学院に進んだが、しだいに学問を続けてゆくことに疑問を抱くようになった。その背景には、明治以来の日の科学技術歴史に対する批判的な眼差(まなざ)しがあった。科学は価値中立であるどころか、いとも簡単に時々の体制と結託するのであり、その総山こそ東大にほかならないという深刻な反省が、著者の一貫した行動を支えていたのだ。 しかし著者は、決してエリート主義に陥ってはいない。当時の東大総長の対応を厳しく批判する一方、日大

    「私の1960年代」書評 沈黙を破り東大闘争を回顧|好書好日
  • 「人びとはなぜ満州へ渡ったのか」書評 「貧しさゆえに」の移民像を覆す|好書好日

    人びとはなぜ満州へ渡ったのか 長野県の社会運動と移民 (金沢大学人間社会研究叢書) 著者:小林 信介 出版社:世界思想社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 人びとはなぜ満州へ渡ったのか―長野県の社会運動と移民 [著]小林信介 関東軍の武力を背景に日中国東北部で建国を宣言した「満州国」。版図内に一時は百万人を超える日人が暮らしていた。書はその約三分の一を占める開拓団員、青少年義勇軍ら、「農業移民」を研究対象とする。 移民たちは「貧しいがゆえに、新天地を求めて自ら満州に渡った」とされてきた。だが、全国最多の農業移民を送出した長野県各地域の経済状態と移民数を詳細に検討した著者は両者の間に因果関係は存在しないと考える。 その代わりに仮説として示されるのが「バスの論理」、つまり「あの村が行くのなら自分の村でも」と移民送出を競い合う構図だ。実際、高送出地域は県道等で繋(つな)がり、競争心理が連

    「人びとはなぜ満州へ渡ったのか」書評 「貧しさゆえに」の移民像を覆す|好書好日
    namawakari
    namawakari 2015/06/14
    ″農業移民が国境を越えたのは「貧しさ」のせいではなく、「自発的」な選択でもなかった…教育を媒介に動員を図ったりするメカニズムは戦時下の長野県に限られず、どこにでも発動しうる”愛国競争恐るべし。
  • インタビュー : 期待が根拠、それがお金 経済学者の岩井・東大名誉教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    アベノミクスの下、「次元の違う金融緩和」で、世の中にお金があふれ始めた。株式市場はわき、景気が上向く兆しがでている。「期待」に左右される市場経済は、随分気まぐれにみえる。経済学者の岩井克人・東大名誉教授に、「お金と期待の関係」を聞いた。 ――人の期待はそんなにあてになりますか? 「実は、お金と期待の関係は、資主義の質にかかわる問題です。3年ほど前にベルリンであった『貨幣とは何か』を討議する学際的な会議に招かれたが、ギリシャ古典の権威の学者の発表が興味深かった。テーマは『なぜ古代文明の中で、ギリシャだけが私たちに近いのか』。ギリシャ悲喜劇は現代人にも感動を与え、民主主義の原型も、哲学も、現代につながる科学もギリシャでつくり出された。彼の答えは、公共的な討議の伝統でもアルファベットの使用でもなく、『世界史で初めて格的に貨幣を使った社会だった』というものでした。私のような経済学者が言うと我

    インタビュー : 期待が根拠、それがお金 経済学者の岩井・東大名誉教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • asahi.com:『ドン・キホーテ』セルバンテス 集大成の訳と、成長中の訳 野谷文昭さん - 特集 - BOOK

    『ドン・キホーテ』セルバンテス 集大成の訳と、成長中の訳 野谷文昭さん [掲載]2007年10月26日朝刊 ■秋の読書特集 第1特集 翻訳新世紀―新訳で文豪を楽しむ 『ドン・キホーテ』は成長し続けている。それは翻訳にも当てはまる。翻訳されるとき、時代によって世界的に変化する読みが訳文に反映するからだ。なかでも決定的だったのがロマン派の読みで、主人公キホーテは滑稽(こっけい)な人物から悲劇的な人物へと変貌(へんぼう)する。日でもこの変化を受けて、永田寛定が「にがり顔の騎士」、さらに会田由が「憂い顔の騎士」と訳し、後者の訳語が好んで引用されてきた。セルバンテスの生涯にも通じる、理想を掲げ、冒険の旅に出て挫折する、悲運の人物像に似つかわしい、美しい言葉だからだろう。 のや・ふみあき 48年生まれ。早稲田大教授。著書に『マジカル・ラテン・ミステリー・ツアー』など。訳書にガルシア=マルケス『予告さ

    namawakari
    namawakari 2012/12/10
    購入・読書の際の参考として。
  • 「平等と効率の福祉革命」書評 豊富な裏付けから子育て支援を提言|好書好日

    平等と効率の福祉革命 新しい女性の役割 著者:イエスタ・エスピン=アンデルセン 出版社:岩波書店 ジャンル:社会・時事・政治・行政 平等と効率の福祉革命―新しい女性の役割 [著]イエスタ・エスピン=アンデルセン 福祉の議論は公共頼みになりがちだ。医療も高齢者も育児も失業も国がもっと金を出せ——。でも、家庭や企業も福祉をかなり提供している。そのバランスを見ないとだめだ、と看破したのが書の著者エスピン=アンデルセンだった。きたる高福祉社会に向けて、彼は女性をもっと働かせろと主張した。福祉サービス職を増やし(企業の事業機会)、女性を働かせ(家計収入増大)、税収を増やせ(公共の負担力増大)! この分析と提言は大きな影響を与えた。そして女性の労働進出は進んだ。でもまだ中途半端な水準だ。一方であらゆる社会では格差の固定化と拡大が進んでいる。なぜだろう? 書はこの問題に取り組む。そしてまたもや明快な

    「平等と効率の福祉革命」書評 豊富な裏付けから子育て支援を提言|好書好日
    namawakari
    namawakari 2012/02/01
    昔から山形氏はエスピン=アンデルセンを評価しているな、意外な気もするが。
  • 【レビュー・書評】量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う [著]大澤真幸 - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    量子の社会哲学 革命は過去を救うとが言う [著]大澤真幸[評者]柄谷行人(評論家)[掲載]2010年11月21日著者:大澤 真幸  出版社:講談社 価格:¥ 2,310 ■異質なものの遭遇 新たな意味へ 量子力学以前の物理学では、観察者を超えた、超越的な視点あるいは超越的な何かが仮定されてきた。たとえば、相対性理論も光速を一定と仮定することで成り立っている。ところが、量子力学がもたらしたのは、そのような超越的視点がもはやないという認識である。光子や電子は、粒子であり且(か)つ波動である。しかし、それらを同時に知ることができない。観察するかしないかで、そのあり方が変わるからだ。そこでは、いわば、結果が原因を創(つく)りだす。といっても、観察者に問題があるのではない。対象そのものが不確定的に存在するのだ。 書は、このような科学認識のあり方を、古代から中世・近代を経て今日にいたる知的変容にお

    namawakari
    namawakari 2011/01/23
    “それまで縁遠かった事柄、たとえば、絵画、数学、神学、生理学、経済学、国家論、革命政治などが「関係の類比」によって結びつけられ、それを通して新たな意味が見いだされる”Σ(゜Д゜;)(゚Д゚)ハァ?
  • asahi.com(朝日新聞社):アンデルセン、福祉を語る [著]G・エスピン−アンデルセン - 書評 - BOOK

    アンデルセン、福祉を語る [著]G・エスピン−アンデルセン[掲載]2009年2月15日[評者]広井良典(千葉大学教授・公共政策)■不平等を是正する家族政策を提案 書は、福祉国家に関する比較研究の第一人者が、フランスの一般読者向けに書いた書物の翻訳である。そう記すと既知の話題の再論かと想像してしまうが、書の議論は以下のような刺激的な問題提起を多く含んでいる。 第一に親から子どもへの「社会的相続」というテーマ。子どもの認知能力の基盤は小学校に入る前の段階でかなり決定されることが近年の研究で明らかになっており、それには経済的要因にも増して家庭環境の「文化」的要素(たとえば家にあるの冊数)が大きいという。こうした点から保育施設の質的充実など、北欧に代表される早い時期からの公的対応が、子どもにとっての「文化」の不平等を是正し、かつ社会全体の生産性を高める投資としても有効と著者は論じる。 第

    namawakari
    namawakari 2009/09/19
    “デンマークの公的社会保障支出はアメリカのそれよりずっと大きいが、保育や医療に関する私的な支出も含めると両者の違いはほとんどなくなる”
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